教員と学生が意識と行動を変えるために、
どのようなトレーニングが必要か

 すべての教員がバーチャルな授業を行うことに慣れているわけではない。簡単なAV機器すら使ったことがなく、もっぱら黒板とフリップチャートに頼っている教員と、新しいテクノロジーに精通している若い教員の間でのデジタル格差も存在する。

 リモート授業に参加する学生たちは、細かい注釈や画像を駆使したマルチメディア・プレゼンテーションの方法論を身につけていない教員が少なくないのだと知ることになる。大学はこの機会に、教員が円滑な授業を提供できるようにするために、どのようなトレーニングが必要かを検討すべきだ。

 学生たちも、オンラインではさまざまな問題にぶつかる。たとえば、つい勉強を先延ばしし続けてしまう場合がある。これを克服するには、大学の学事スケジュールに従うよう自分に誓うことが有効だ。

 オンラインで学ぶ学生は、ほかの学生たちの存在を感じづらい。キャンパスに通って学ぶ場合は、そうした感覚を通じて競争意識がはぐくまれて、ほかの学生より優れた成績を残したいという意欲が強まる。

 また、オンラインでの活動はことごとく、関心が長続きしにくいという問題がある。学生はオンラインで講義に出席しながら、並行してほかの活動もしている場合が少なくない。メールをチェックしたり、友達とチャットしたり、ウェブサイトを閲覧したり……。

 本稿の筆者らは、子を持つ親であり、大学教員でもある。こうした状況は、痛いほどよく知っている。

 人々の思考様式は変わっていくのだろうか。私たちは、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)を実践するための試行錯誤を通じて、この問いの答えを明らかにしつつある。

 教員も学生も現在進行形で修正や調整を重ねており、シラバスや講義の内容は学期の途中で見直されている。期末試験や小テストなどの評価方法も、オンライン形式に変更され始めた。

 大学当局と学生団体もこうした変化を受け入れていて、教員が工夫を凝らして、(準備時間がほとんどない中で)最良の授業をつくり出せる環境を構築しようとしている。

 教員と学生と大学当局は、リモート教育の取り組みがどのように進化していったかを話し合うべきだ。その情報は、未来の教員と学習者を育てる方法を見出すうえで参考になるだろう。