オンライン教育を行うために
ITインフラをどのように改善すべきか

 日々、仕事でビデオ会議に追われている人たちなら察しがつくだろうが、リモート教育を軌道に乗せようと思えば、まずハードウェアとソフトウェアの問題を解決しなくてはならない。

 デジタルテクノロジー(モバイル、クラウド、人工知能など)を大々的に導入するには、まだ準備が足りない点も多い。ハードウェアの面では、通信容量とデジタル格差の問題に対処しなくてはならない。

 対面式の授業では、さまざまな格差が平準化される。同じ教室で学ぶ限り、すべての学生に対して、同じように教育が提供されるからだ。

 一方、オンラインを用いた教育では、デジタル格差が増幅される。富裕層の学生は、最新のノートPC、大きな通信容量、安定した無線LAN接続、そして高度なAV関連機器を持っているからだ。

 手始めに電話会議用ソフトウェアを利用するのも悪くないが、対面式授業の一部の機能は代替できない。たとえば、教員が大人数のクラスを対象に授業を行いつつ、受講生の反応を見て臨機応変に対処することは難しい。

 対面式授業では、1000人規模の大教室でも、教員は学生の理解度を把握して、授業のペースを調整できる。また、対面式の教室で授業を受ける学生たちは、自分が質問をしすぎて、授業の進行を妨げていないかを感じ取ることができる。

 新しいテクノロジーは、対面式のこうした機能を代替できるだろうか。どのような点で、テクノロジーをさらに進化させる必要があるのか。教員と学生は、現状で困っている点を洗い出し、それらの問題について話し合うべきだ。それを通じて、テクノロジーの進歩を後押ししなくてはならない。

 オンラインを活用する場合は、リアルの世界でのサポート体制も不可欠である。教育デザインの専門家やトレーナー、コーチを確保して、学生がしっかり学習し、講座を最後までやり抜けるように支えなくてはならない。

 大学間のデジタル格差も見過ごせない。そうした格差は、多くの大学がリモート教育に乗り出す中で、いっそう浮き彫りになるだろう。一流の私立大学は、予算の厳しい公立大学に比べて、ITインフラが充実していて、教員一人当たりのIT支援スタッフの数も多い。