●結論から伝える

 人が殺されるミステリーではないのだから、最初に結論を伝えて、質問に備える。相手は、そこにたどり着くまでのステップを逐一聞きたいのではなく、現状を知りたいと思っているはずだ。

 結論を裏付けたら、あとは聞かれた場合にだけ情報を追加する。「データが手元にないのでお答えできませんが、●時(●日)までに回答します」「恐れていた以上に変動が大きく、目標を達成できないリスクがあります。いま、具体的な数字を出しているところです」などと言ってみよう。

 あるいは、すでに次の段階に進んでいることを示す。「このことは非常に深刻に捉えており、次の4半期に向けて、プロセスやコミュニケーションの見直しを始めたところです。次回は提案事項を持参しますが、まず直近の問題点として、目標未達の対策案を練っています」。

 ●言葉のダイエットに励む

 緊迫した会議では、率直に話すべきだが口数は減らしたい。不安になると取り留めなく話してしまう人は、自制して3~5文に発言を収める。それなら元々は30の文章を接続詞を存分に使って3つの文章のように見せてもよい、ということではない。

 一例を挙げよう。「ご心配はもっともです。私たちも深刻に受け止めています。アイデアを出し合えば何とか取り戻せるかもしれないという感触は得ています。明朝7時までに、さらなるデータを用意します」

 言葉の予算配分をすると、否が応でもはっきりと率直に話すようになり、相手の時間を尊重し、余計なことを言ったり招いたりせず、マイクロマネジメントの防止につながる。話が飲み込めたことを示し、自分が持っている情報を質問者と共有し、次の報告をいつ行うのかを明確にすれば十分だ。

 どれほど頭が切れても準備を万全にしても、経営幹部へのプレゼンでは答えに窮する質問を覚悟したほうがよい。本稿で紹介したステップを踏むことで、その瞬間を冷静に、プロフェッショナルに対処しよう。会議でどんな答えられない質問をされるかは予測できないが、質問されたときにどう対処すべきかはわかるだろう。


HBR.org原文:Presenting to Management? Be Prepared for the Tough Questions, April 03, 2020.


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