(8)パニックにならない

 受け取ったメールを読んで、激怒したり、不安になったり、有頂天になったりしたときは、すぐに返信せずに、翌日まで待とう。できれば、気持ちが落ち着いたあとで、直接会って話すとよい。冷静さを取り戻せれば、その場の感情に突き動かされず、みずからの感情と、その感情の背後にある自分のニーズをうまく表現できる。

 返信するときは、第三者になったつもりで文面を再読しよう。そのメッセージを受け取った相手がどのように感じるかを想像するために、まず自分宛にそのメッセージを送ってみるのもよいだろう。

 もう一つ、ささやかなアドバイスを。メールの宛先欄は、メッセージを書き上げて送信する直前に入力するようにしよう。私たちの友人の一人は、給料交渉のメールを十分に推敲しないまま、うっかり送信ボタンを押してしまったために、就職話が破談になったことがある。

(9)「イエス」という返事が欲しいときはメールを避ける

 誰かに何かを頼むときは、メールで頼むより、直接会って頼むほうがうまくいく確率が30倍以上高いという。

 研究によると、人はメールで何かを頼まれても、それほど真剣でない、緊急でないと見なす傾向がある。メールで交渉する場合は、その前に直接会うなり、ビデオ通話や電話をするなりして、世間話をしたほうがよい。

「世間話をするか、失敗するか」と題された研究がある。

 その研究では、MBAの学生を対象に実験を行った。学生の半分には、交渉相手の氏名とメールアドレスしか教えなかった。もう半分の学生には、相手の写真を見せ、交渉を始める前に趣味や仕事の計画、故郷の町について会話するように指示した。すると、前者のグループでは70%で交渉がまとまったが、後者のグループはほぼ全員が合意に達した。

(10)緊急時以外は、業務時間外にメールやスラックのメッセージを送らない

「いまオフィスを離れており、頻繁にメールチェックができません。お急ぎの用件でなければ……やはりご返信することになると思います。困ったものです」と、あるパロディ・アカウントがツイッターに投稿したことがある。

 メールを送信するとき、「お読みになるのは/お返事いただくのは、明日/週明けでけっこうです」と書き添えたとしても、相手は翌朝まで(あるいは週明けまで)あなたのメッセージのことを考え続ける羽目になる。すぐ返信しなくてはならないというプレッシャーを感じる場合もあるだろう。

 書き上げたメッセージは、とりあえず下書きボックスに入れておくなり、あとで送信するように予約送信機能を利用するなりしよう。

 デジタル上のミスコミュニケーションはほとんどの場合、声のトーン、身振り手振り、表情などの非言語的な情報が得られないために生じる。直接会って話すときは、そうした情報が相手の感情を推し量るために役立っている。本稿で紹介したヒントも役に立つが、最も安全な方法は、電話やビデオ通話で話すことだと覚えておこう。


HBR.org原文:10 Digital Miscommunications-and How to Avoid Them, March 27, 2020.


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