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起業家への道のりに王道はない。いまの仕事を辞めて事業計画を練り上げ、従業員を雇い、投資を受ける、という選択だけでなく、自分の趣味を副業として始める道もある。筆者は、自分の夢を実現するうえで、パートタイム起業家には2つのメリットがあるという。


 起業家になる道のりというと、たいてい一本道を思い浮かべるだろう。仕事を辞めてビジネスを始めるという、一方向に進む道だ。

 何しろ、起業家になるのは一か八かの賭なのでは? 実は、必ずしもそうとは限らない。人生における多くの出来事と同様、起業家への道はもっと曲がりくねっていて、偶然に満ちている。

 私がそのことに気づいたのは、アンダーグラウンド・レストランを開店した、フード業界の起業家63人にインタビューしたときのことである。

 ここでいうアンダーグラウンド・レストランとは、個人宅などで営まれるレストランを指す。ポップアップ・レストランとかサパークラブと呼ばれることもあり、営業は不定期で、たいてい月に1~2回だけだ(これが人気の理由の一つでもある)。

 たまにしか営業しないため、アンダーグラウンド・レストランをフルタイムの仕事として営むことは当然ない。その代わりに、他のレストランで働いているシェフや趣味の料理人たちは、本業を続けつつ、副業としてポップアップ・レストランを営業する。本業が弁護士や企業経営者など、まったく畑違いの人もいる。

 アンダーグラウンド・レストランの人気が高まると、シェフはそれを通常のレストランやケータリング事業に転換したり、パーソナルシェフになったりする。アンダーグラウンド・レストランがうまくいかなかったとしても、こうしたシェフ志望者たちが失うものは、それほど大きくない。家具量販店のテーブルや椅子など、自宅の居間をレストランにするために投資した必要最低限の改装費用くらいだろう。

 つまり、アンダーグラウンド・レストランは、フード業界における自力のリーン方式スタートアップなのである。初期投資は安く、本業との両立も可能だ。