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人は、外見やジェスチャー、ボディランゲージという言動の断片から、相手の特質を判断する傾向にある。筆者らが「話し方」を通じて、その人の社会的経済的地位を判断できるかを調査したところ、わずか30秒でもそれなりの精度で判別できることがわかった。地位が高いと判断された人は採用で有利になりやすく、社会的不平等が解消されない一因となっている。


 研究によれば、組織は能力主義ではない。大企業の上級管理職は、昇進させるべき人材を判断する際、「社風に合う(カルチャーフィット)」というあいまいな要素を、仕事上不可欠なスキルと同じくらい重視している。

 コンサルティング会社や法律事務所でも、産業界でも、企業の経営チームでも、採用基準として知識や能力、業績といった領域以外の基準が用いられている。その結果、すでに社会的序列の頂点にいる人がよりよいキャリアを得ていることを示す研究は、枚挙にいとまがない。

 私たちの最近の研究では、話し方のような単純なことで、社会経済的地位が(しばしば正確に)判断され、社会的地位の高い人が有利になり、そうではない人は不利になることを検証した。

 社会心理学ではかなり以前から、人間には「シン・スライシング」の傾向があることが実証されている。すなわち、外見やジェスチャー、ボディランゲージ、話し方といった観察可能な言動のごく小さな断片から、相手の特質(誠実さ、能力、対人スキルなど)を判断し、人となりの大枠を把握する傾向があるのだ。

 社会階層も、このセンスメイキング(意味づけ)の過程の一部である。先行研究では、初対面の2人の60秒間のやり取りを見れば、親の収入や大学教育を受けているかどうかを、正確に推測できることが明らかになっている。

 そこで私たちは、話し方(単語や語句をどのように発音するか)によって、その人の社会経済的地位が予測できるかどうか、採用候補者としての魅力が増すか減じるかを検証することにした。