大半の人は、パートナーと互いの価値観を知っていると考えている。しかし、長年にわたり親密なパートナーシップを築いてきた人々でさえ、互いのコアバリューをあらためて知って驚くものだ。

 研究によると、自分に最も近い人の価値観や経験、目標について、私たちは自分で思っているほど正確には知らない。自分たちが最も大切にしている価値観を共有してみると、意外な発見があるかもしれない。

 エマとマルコスは知り合ってから20年になるが、自分たちの価値観を話し合うことによって、相手の新しい一面を知ることができた。

 マルコスは、エマが常にオンの状態で、1日24時間、仕事に対応していることにしばしば不満を感じていたようだ。彼はそろそろ寝る時間だと思っても、彼女がまだベッドでノートPCをつけていることも少なくない。

 しかし、エマの家族がつらかった時期のことと、それが自分と彼女に与えた影響について知った後は、彼女の労働倫理が、少なくとも部分的には、経済的な安定を失うかもしれないという不安と、目の前のプロジェクトで高いパフォーマンスを発揮しなければ次のプロジェクトに参加できないという不安に駆り立てられていることを、理解するようになった。

 エマとマルコスにとって、自分の価値観を明確にして相手に伝えることは、人生のあらゆる場面で価値観を重視するリーダーになるための、最初の重要な一歩となった。

 そのうえで、キャリアの成功に関するそれぞれの定義と、2人が共有する自分たちならではの価値観の双方を取り入れて、将来のビジョンを描くことができた。これらの価値観を話し合うことによって、最も大切な人との絆を深め、日常生活で価値観を実践する工夫をいくつか試すこともできた。

 自分の経験の山から鉱石を採掘して、コアバリューを見極め、それを子育てのパートナーに説明して、2人が心からその意味を知ろうと思う。これは、子育てのリーダーになるために欠かせないプロセスだ。

 価値観は、私たちが直面する日常の判断と重要な決断の両方にとって、意識的な選択をする基盤となる。そして、自分が最も大切にしていることと一致した行動を目指すという、リーダーリップの難題と真摯に向き合えば、あなたの子どもの基盤が強化される。


スチュワート D. フリードマン、アリッサ F. ウェストリングの共著Parents Who Lead(未訳)より抜粋


HBR.org原文:How Working Parents Can Regain Control Over Their Lives, March 05, 2020.


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