私たちの「Parents Who Lead」ワークショップに参加したテキサス州ヒューストンのロペス夫妻は、エマが経営コンサルタント、マルコスは陸軍の元大尉で、現在は投資マネジャーだ。子どもは4歳と7歳の2人。夫婦とも「キャリアの成功」をコアバリューに挙げていた。

 ただし、その共通点が2人を困惑させていた。互いに仕事に対する考え方が大きく異なると感じていたのだ。さらに深く考えてみると、キャリアの成功の意味がそれぞれ違うことがわかった。

 エマは、思春期に父親が失業して、食べることにも苦労した記憶があった。家族で経験したつらい時期が、いまの自分を形成するうえで大きな役割を果たしていた。だから彼女にとって、キャリアの成功とは何よりも、資産を十分に貯めることができ、転職に有利なスキルを身につけて、経済的な安定を気にしなくていいことを意味する。

 一方のマルコスは、元軍人らしく階級の明確な序列を歓迎しており、彼にとってキャリアの成功とは、昇進と年功だった。もちろん、エマと同じように経済的な安定も気にかけているが、成功と同等には考えていない。そしてエマも、評価されることは大切だと思っているが、成功とは何かと考える際に最も重要なことではない。

 これらの違いが明確になったおかげで、成功に対する相手の考え方を理解しやすくなった。そして、自分たちの将来に望むことを考える際に、相手のキャリアだけでなく、母親と父親としての役割も含めて、これまで以上に気にかけて、思いやりをもって支え合う形を描くことができた。