これら4つの要因すべてが、私たちの行動と意思決定に影響を与える。そして脅威と不透明性と不安が、私たちに近視眼的な決断を取らせる。

 たとえば、不透明性は私たちに、もっと多くの情報を欲しいと思わせる。だから多くの人が、このウイルスと感染拡大について最新情報を得ることに膨大な時間をかけている。きちんとした情報を得るのはよいことだが、ネガティブなニュースはストレスや動揺につながるものだ。

 行為主体性の欠如は、もっと自分が状況をコントロールしていると感じられる行動を私たちに取らせる。そこで初期に起きたのが、手指消毒剤や消毒用アルコールの購入だ。これには一定の合理性がある。こうした商品は、ウイルス拡散につながりうる体の部位や家具を消毒できるからだ。

 だが、それがひと段落しても、人々はまだ一定のコントロールを握りたいという欲求に駆られて、トイレットペーパーやペーパータオル、飲料水を買いに走る。

 これはどこか合理性が欠けているように見える(専門家が推奨していないことは間違いない)。それでもこうした購買行為は、「何かをした」という満足感を与え、一時的に不安を緩和することができる。

 不安に直面すると、慌てて経済的な決断を下す人もいる。3月に入り主要株価指数が20%近く下落すると、多くの人は持ち株を処分してしまいたいという誘惑に駆られた(実際、多くの人がそうした)。

 しかしそれは、現在だけを見て、含み損を現実化していることになる。歴史的に見れば、株価はいずれまた上昇する可能性が高いにもかかわらず。本当は何もしないほうが賢明かもしれないのに、人は急いで行動を起こしたがる。