データ分析者と現場の連動で、CXが飛躍的に向上する

 加えて、データ群、インサイト群、CX群の強固な連動を築き上げるには、データ分析者と現場のアクション実践者という「人と人の連動」が何よりも不可欠である。

 データ分析者は「現場脳」を理解し、現場に実装できるようなインサイトを、分析技術を駆使して提供する。それによって顧客と向き合うアクション実践者を支援するのだ。

 同様に、アクション実践者は分析者の「データ脳」を理解し、分析の手助けとなる経験と勘を提供するのだ。それによって得られた有用なインサイトに勇気を持って従うことで、CXとの強い連動が築かれる。

 例えば、店内できょろきょろしている人がいると仮定しよう。その行動が、挙動不審者に特有のものなのか、あるいは、何か聞きたいことがあって店員を探しているだけなのか、画像データから分析者が判断するのは難しい。

 しかし、経験豊富な接客要員ならば判断できるだろう。その判断基準を接客要員がデータ分析者に伝えれば、データをインサイトへと転換する分析のアルゴリズムを構築できる。挙動不審者と店員を探している客を画像データから瞬時に見分ける仕組みができあがれば、それに応じて接客要員がすぐにふさわしい声がけをできるようになる。

「データ分析者とアクション実践者が互いの仕事や考え方を相互に説明し、理解し合いながらアイデアを出し合う。そういう創発の仕組みをつくることが求められます」(小峰氏)

ベイカレント・コンサルティング
デジタル・イノベーション・ラボ
チーフデータサイエンティスト
小峰弘雅氏

 実際にデータ分析者とアクション実践者を緊密に結びつけるためには、両方の言語や思考を理解し、翻訳できる橋渡し役がいるかどうかが大きな鍵になる。データ脳と現場脳の両方を持った人物はなかなかいないため、当面は外部人材を活用することが効果的だ。

「クライアントとともに私たちも試行錯誤しながら、データレバレッジに取り組んでいますが、分析者と現場が強固に連動することで、深くて広いインサイトの獲得とアクションの実践が可能となり、CXが飛躍的に向上することを強く実感しています」と則武氏は言い切る。

 データとテクノロジーという役者が揃ったいま、テコの原理を応用してCX最大化への取り組みをスタートした企業と、足踏みしたままの企業とでは、顧客との距離が大きく開くことになるだろう。
 

■お問い合わせ
株式会社ベイカレント・コンサルティング
東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階
TEL:03-5501-0151
URL:https://www.baycurrent.co.jp/