エニアは、更年期の症状が始まった当時を振り返り、もっと勇気を持って支援を求めるべきだったと語る。地位の高い人物がオープンにそのテーマを話題にすれば、どのようなタブーも力を失う。私たちは、人種やジェンダー、世代の違いについて職場で以前よりオープンに語るようになった。同じように、更年期についても話せる状況をつくるべきだ。

 そのために、マネジャーやリーダーは何ができるのか。私の経験から言うと、出発点は「話すこと」だ。もしあなたが更年期の女性リーダーなら、自分が直面していることを堂々と語ろう。そうすれば、ほかの女性たちも更年期になったときに、勇気を持って自分の症状をオープンに語りやすくなる。

「いま更年期なのです。だから、最近は物忘れをしてばっかり!」とリーダーが言えば、ほかの女性たちは自分も同じようなことを話してよいのだと思えるだろう。対話は、コストなしに大きな恩恵を生み出せるのだ。

 学ぶことも重要だ。更年期に関しては、知識不足や誤解が蔓延している。信頼できる医学系の情報源を利用して、基礎的な知識を仕入れよう。

 マネジャーは、更年期と社員のウェルビーイングの関係に注目することにより、更年期の問題に光を当てることができる。更年期は、ほかの多くの健康上の問題と同様に、社員のストレスを高め、燃え尽きの原因になるからだ。

 更年期の女性にどのように配慮するつもりかを、部下に説明しよう。フレックスタイム制での勤務を認めたり、在宅勤務を可能にしたり、更年期に関する講習会を開催したりしてもよい。リーダーが旗振り役になれば、組織は業務上の課題として更年期の社員を支援し、生産性の向上、組織文化の改善、収益の増加といった恩恵を得ることができる。

 私は更年期になった頃、恥ずかしいという気持ちにじゃまされて、必要な支援を求めることができなかった。それでも、やがて症状が悪化し、問題がないふりをし続けられなくなった。あるとき、12人の出席者がいる会議の途中で、「数分間、席をはずします。ホットフラッシュがひどいので、少し休憩させてください」と言ったのだ。

 この言葉を発したとき、力と自信が湧いてきて、ほっとしたのを覚えている。その場にいた人たちはみな、心配しなくてよいというように、私に向かってうなずいてくれた。

 会議が終わったあと、自分の経験を私に打ち明けた同僚も2人いた。それに勇気づけられて、私は更年期の症状について話す機会が増えた。私の経験に触発されて、同じような行動を取る人がもっと増えてほしいと思う。


HBR.org原文:It's Time to Start Talking About Menopause at Work, February 24, 2020.


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