感情の流れをリセットする

 対立は感情に影響を与える。小さな問題でも緊張が生まれ、痛みやいら立ち、怒りの感情を最小限にするために、距離を置こうとするときもある。

 しかし、緊張に気がついたときは、距離を置くより、感情の流れをリセットするほうが状況は改善するようだ。その方法の一つは、相手との前向きな記憶を思い出すことである。それが人間関係のセーフティネットになり、絆が深まりやすくなる。

 ただし、そのとき湧いている否定的な感情を、無視するという意味ではない。むしろ、前向きな思い出を共有することによって、否定的な感情とのバランスを取り、否定的な感情を表現しやすくなる。このアプローチの目的は、人間関係をさらに損なうことなく、痛みや怒りを表現できる支援的な環境をつくることだ。

 前向きな感情の流れをつくるには、次のようなポイントがある。

 ●問題を提起する

 緊張が生じていることを少しでも早く認めて、互いに否定的な感情を吐露したいと思うだろう。ただし、今後の関係に対する前向きな感情を強調することも、重要だ。

 たとえば、こんなふうに言うこともできる。「いますぐには、わだかまりを捨てて問題に向き合うわけにもいかないし、お互いに動揺しているが、私たちならきっと乗り越えられる」

 自分の感情や疑問を相手に伝えることができて、相手が自己防衛を強めることなく耳を傾けてくれると思える。それが人間関係の「ルール」だ。

 ●小休止を提案する

 数日後に話をする約束をして、感情をクールダウンさせよう。時間がないときは、短い休憩をはさむだけでも、緊張が和らぎやすい。

 物理的に時間を置く余裕がなければ、いったん話題を変えると、衝突で昂ぶった気持ちがしずまって、前向きな感情を促す効果がある。たとえば、一息入れて、順調に進んでいる別のプロジェクトについて意見を交わしてみよう。

 ●人間関係の共通のゴールを目指す

 自分たちの関係が重要なもので、互いに前向きな感情を取り戻したいと思っていることを確認し合う。自分たちの関係のいいところを強調して、あなたが今後もさらに前向きな交流を求めていることを、相手に伝える。そうすれば、目の前の衝突が人間関係全体を損なうことを防ぎやすくなる。