我々の調査は、このことを裏づけている。我々はある調査で、就労している成人379人に求人票を読んでもらい、自己紹介と応募しようとしている仕事について話す2~3分の動画をつくってもらった。

 次に、いくつかの質問に回答してもらった。人材採用に関する専門知識を持つリサーチアシスタントが動画を見て採点し、その結果に基づいて採用される確率が決められると参加者は知らされた。また、最高点を出した人には報奨金が出るとも告げられた。

 参加者は、次の3つの条件のいずれかに無作為に割り振られた。他人に迎合する場合、ありのままの自分でいる場合、そして対照群である。

 他人に迎合する場合の指示内容は、次のように書かれていた。「応募者を動画で評価する人の期待や興味に合うと思うことをしゃべってください」。ありのままの自分でいる場合の指示内容は「自分の好きなようにしゃべってください。応募者を動画で評価する人に対して、ありのままの自分を偽りなく見せてください」。対照群の場合はどちらでもなく、「応募者を動画で評価する人がいることを忘れないでください」とだけ指示された。

 動画をアップロードした後、参加者は動画を撮影したときの不安の度合い、戦略的意図について質問された。

 その結果によると、相手に迎合した参加者は、ありのままの自分を動画で撮った人たちや対照群の人たちよりも不安や戦略的意図を感じた。そのため、相手に迎合した人たちは採用面接でのパフォーマンスが悪くなった。

 リサーチアシスタントによる採点に基づくと、ありのままの自分でいた人たちが採用される確率は、相手に迎合した人たちよりも26%高かった。対照群だった人たちは、相手に迎合した人たちよりも15%高かった(また、ありのままの自分でいた人たちよりも9%低かった)。

 好ましい印象を与えることが、採用されるか否か、あるいはよい取引や顧客を獲得できるか否かの差につながることがある。しかし我々の直感に反して、ありのままの自分でいることのほうが、他人の興味や期待に合わせようとするよりも好印象を与える。

 自分が心地よいだけでなく、自分の目的を達成する確率も高くなるのだ。


HBR.org原文:Research: It Pays to Be Yourself, February 13, 2020.


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