目標と役割を詳しく説明する

 予期せずチームの仕事のやり方が変わった場合、とりわけ、同一のオフィスで仕事をしていたチームが遠隔で働くようになった場合には、任務の遂行方法を再考し、全員に自分の役割を確実に理解してもらう必要がある。

 ●目標と役割を繰り返し説明する

 在宅勤務への移行は、基本に立ち返り、チームの目標と各自の役割は何か、各自がどう成果に貢献すべきかについての認識を全員に徹底する、絶好の機会である。

 チーム内の役割分担が明確になると、どのような場合にリーダーでなく同僚を頼ればよいのかを皆が納得するため、リーダーがボトルネックになる事態を避けられる。こうしてチーム全体のコミュニケーションが活性化すると、影の薄いメンバーも蚊帳の外に追いやられずにすむ。

 新型コロナウイルス危機のような混乱時は、社内の至る所で新たな業務が発生し、リソースの取り合いになるだろう。このためリーダーは、折に触れてチームと個人、両方の目標を明快に説明し、脇道に逸れるのを防ぐ必要がある。

 業務が雪だるま式に増えないよう用心しよう。目標の優先順位を見直す際には、誰に仕事を割り振るかを慎重に検討し、変更内容をチーム全員に確実に伝えることだ。

 ●スキルと能力を棚卸しする

 最近ではたいていの人が、同時に複数のチームやプロジェクトに属している。変化の激しい状況下では、チームの誰かが関与する別のプロジェクトが予想外の出来事に見舞われ、その皺寄せがあなたのプロジェクトに及びかねない。影響を最小限に抑えるには、いまのうちに、誰と誰のスキルが重複しているか、チーム外の戦力をどう活用できるかを考えておくとよい。

 危機の最中には新たな業務がいくつも発生するため、メンバーの多くは各方面から引っ張りだこになるだろう。このような切羽詰まった状況に独力で対応するよう求め、部下をいっそうの重圧に晒すようなことは、やってはならない。プロジェクト間の稼働調整を支援する意思があることを、はっきり伝えよう。

 優先順位を改めた場合も、チームに新しい人材が必要になるかもしれない。具体的に想定されるのは、感染症のサプライチェーンへの影響を見極めるオペレーション専門家や、見本市の中止に備えて新製品の発売方針を検討するマーケティング専門家などである。

 残念ながら、全員が在宅勤務をしている時期に新メンバーが加わると、チームの結束や信頼関係を築きにくいおそれがある。そこで、人柄と職務経験に焦点を当てて新メンバーを正式に紹介するために、時間を設けよう。