デジタルOOHがつくる未来

中村 デジタルサイネージやデジタルOOHなど、いわば「サイネージ3.0」がそろそろ始まりつつあると私は考えています。2007年にデジタルサイネージコンソーシアムを設立した頃というのは、看板がデジタルになったところで、まだスタンドアローンの電子看板でした。

 これが「サイネージ2.0」で大きく変わりました。きっかけは3.11の東日本大震災。当時、一斉に「節電に協力しろ」と言われ、サイネージの電気を落としました。そこから再度電気をつけることに非常に苦労しました。

 そのためには、サイネージの必要性を理解してもらう必要があった。一つはスタンドアローンではなく、ネットワークメディアにしていこうという動き。もう一つは、広がりのある情報提供。防災情報、交通案内、天気予報など、誰もが役立つ情報を配信することによって、デジタルサイネージは皆に親しまれるメディアを目指しました。そこで大きく成長したと思っています。

 そして、ここに来て再び大きく変わろうとしています。5Gが来て、あらゆるモノがIoTになり、センサーとサイネージが一体化していく。そこへAIやデータが入ってくる。それがこれからはじまるサイネージ3.0の世界です。神内さんがLIVE BOARDでやろうとしていることは、その中心だと思います。

デジタルOOHの最新事例。2019年1月19日、旧正月を祝うために中国・青島で行われたイルミネーション。外壁にLEDが埋め込まれた青島の超高層ビル53棟を使い、連動させながら動画広告を流した。
【参照動画】

神内 私たちLIVE BOARDのコンセプトはIoTハブです。いわゆる「広告看板屋」ではありません。今までは「データ」といえば送るだけ、あるいはネットワークでつながっているというだけでした。サイネージを設置したところにセンサーを置くことで、周囲にいる人をリアルタイムで把握できる。気温や花粉などのデータも収集できます。

 今後は広告というビジネスだけでなく、公共サービスなど様々な用途でもビジネス化ができるようになっていくのではないかと思っています。その汎用性は未知数です。これから5Gになり、デジタルOOHはリアルタイムでその場のデータを集積するハブになっていくのではないかと考えています。

中村 私もそう考えています。今で言えば、コロナウィルスに関する正しい情報を、街を歩いている人へ伝えることなどが可能になります。政府がOOHやサイネージに強い関心を寄せている理由はそこにあります。最初は広告というメディアを核に成長してきたのが、今後、より大きな世界が待っているような気がします。

東京オリンピックで広告メディア技術はどう変わるか

中村 次のオリンピックは大事な時期だと思っています。ラジオで世界配信された最初のオリンピックは、1936年のベルリン。テレビで世界配信されたのが1964年の東京。ネットで全試合が中継されたのが2012年のロンドンなのです。ラジオ、テレビ、ネットと来て、今度の東京オリンピックは、新しいメディアの総括になります。5G、IoT、ドローン、ブロックチェーン……あらゆるテクノロジーを導入した新しいメディアで、日本はどのように世界へアピールするのか。とても大事なポジションです。私は「データ」が重要だと思っています。全て横串で「データをこのように使いました」ということをうまく示すことができればと思っています。

神内 私が期待しているのはまさにそこです。メディア側からするとそれらをアピールできる絶好の機会だと思っています。オリンピックという全世界の祭典で一元的にデータを使用し、いかにマーケティングするべきか。メディアをまたいで、機運が高まってしかるべしと思っています。

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