ステップ1:「時間外」を定義する

 あなたの仕事が従来型の9時から5時までの勤務なら、すでに仕事時間は設定されている。だが柔軟な勤務体制なら、何時から何時までを勤務時間内または時間外にするのか、きちんと考える必要がある。

 毎週、一定の勤務時間数が期待されている場合は、まずその時間を確定済みのあなた個人の予定(子どもを学校や課外活動に送り迎えする、ある時刻の電車に乗る、大好きなエクササイズのクラスに出席するなど)の前後に組み込んでみよう。適切な労働時間を確保するには、何時に始め、何時に終わることが必要だろうか。

 一方、フリーランスや完全結果志向の職場環境などで、具体的な勤務時間数は決まっていないけれども、あなたが起きている時間のほとんどを仕事が占める場合は、逆のアプローチを取るといい。

 まず睡眠や運動、家族や友人、掃除や資産管理のために何時間とりたいかを計算しよう。そのうえで、こうした個人的な優先事項のために1日単位、あるいは週単位で、どれだけの時間を確保する必要があるかを割り出す。それが、いつを「時間外」にするかを決めるパラメーターになる。

ステップ2:頭の中を整理する

 次に、やるべきことと、それをいつまでに終わらせるかについて、頭の中を整理しよう。やるべきタスクの長いリストをどこかに書き出すことも、一つのやり方だ。ノートでもいいし、タスク管理アプリやプロジェクト管理システム、自分のカレンダーでもいい。大切なのは、夜、布団の中に入ってから、頭の中のやることリストを全部思い出そうとしないことだ。

 リストができたら、綿密に計画を立てよう。報告書に取り組む時間をあらかじめスケジュールの中で確保しておく、翌日の会議のための準備時間をカレンダーに書き込む、会議に出席したり他の人々の要求に対応したりする時間とは別に、自分自身の仕事に取り組むための時間をきちんと割り当てる、といった具合だ。このように計画すると、何か見落としていないか、期限に間に合わないのではないかという不安を減らすことができる。

 頭の中の整理の仕上げとして、1日の仕事の終わりにまとめの時間を持つといい。このとき、日々のやることリストとカレンダーに目を通し、絶対に片付けておくべきタスク、特に期限の厳しいタスクをすべて完了したかどうかを確認しよう。オフィスを出る前に、メールにざっと目を通し、緊急のメッセージにすべて対応したかどうかを確かめるのもいい。

 退社15分前から30分前に、これをその日の最後の仕事として行うのが効果的だ。場合によっては、退社1時間か2時間前にリマインダーを設定しておくと、余裕をもってまとめができる。

ステップ3:同僚の理解を得る

 職場の環境によっては、「午後6時以降はつながりません」とはっきり就業の境界線を設定できるかもしれない。だが、線引きがずっとあいまいな職場も少なくない。

 仕事とプライベートを明確に線引きできる環境の人には、直接、仕事仲間と話して理解を得ることをお勧めする。「私は通常、午後6時に退社します。それ以降受け取った連絡には、翌営業日の午前9時以降にこちらから返答します」という具合だ。

 特に何も言わなくても、行動で示せる場合もある。もし午後6時から翌日の午前9時までにあなたから連絡がくることが一度もなければ、その時間にあなたは対応しないと周囲は思うようになるだろう。

 一方、常に連絡の取れる状況にあることを求められる仕事の人は、連絡の方法を明確に設定することで、望まない時間帯での中断を減らせるだろう。たとえば「日中の質問はメッセージアプリで結構ですが、午後6時以降は緊急の用件でない限り、メールでお願いします」と言う。

 同様に、スケジュールがかなりフレキシブルで、日中にジムに行く、子どもを学校に迎えに行くなど、ある程度まとまった時間、仕事を中断することがある場合は、あなたにとって望ましい連絡方法を知らせておくといい。「日中、しばらくPCから離れる時間帯があります。すぐに返事が必要なときは、電話かメッセージでお願いします」と知らせておくのである。

 こうした設定なら、個人や家庭の用事を中断するのは、緊急の電話やメッセージ経由で極めて重要な仕事がきたときだけになり、緊急性のない仕事には後ほど余裕をもって対応できる。

ステップ4:職場で仕事を片付ける

 いまさら何をと思われるかもしれないが、仕事は職場でするということを自分に許可してほしい。

「本当の仕事」は、皆が退社した午後5時や6時過ぎ、あるいは夜、子どもを寝かしつけた後にとっておくものだと思っている人が少なくない。この時間だけが、誰かが話しかけてきたり、すぐに何かをしてくれと頼んできたりしない、ごく限られた貴重な時間に思えるからだ。だが、オフのときに仕事に気をとられたくなければ、日中、自分の仕事をする必要がある。

 ステップ3の頭の中の整理手順に従ってタスクを完了させていくと、職場で仕事をするうえで大きな前進があるだろう。自分の時間をとにかくしっかり守ることだ。

 大事なプロジェクトにしかるべき時間を注ぐ。メールに応答する時間をカレンダーに設定する。仕事を完遂するのにオフィス以外の場所に行って仕事をする必要があるなら、そうするといい。達成状況や目標を確認する「自分ミーティング」を継続的に行い、タスクを片端から片付けよう。仕事が片付かなくてストレスを抱えているときに仕事のことを考えずにいるのは、不可能とは言わないまでも、おそろしく難しい。

 もし、いつもの勤務時間以外で仕事をやらなければならない(または、やりたい)ときは、必ず前もって時間を決めて(タイムボックス)取り組もう。たとえば、夜8時から9時まで仕事をして、時間になったら終了する。あるいは土曜の午後1時から4時までの3時間を仕事に宛て、その前も後も仕事のことは考えない。時間を決めて、それを固守するほうが、一晩中あるいは週末のあいだ、ずっと仕事のことが頭にあるけれども何もしないより、はるかにいい。

 最高の仕事をするためには、仕事をしない個人の時間が必要だ。仕事のことに気をとられずに自分のための時間を確保することは、最高のパフォーマンスをするための一助になる。

 仕事のことが頭をかすめもしないとまでは保証できないものの、ここに挙げた4つのステップを活用すれば、オフの時間に仕事に気をとられることがずっと少なくなるだろう。


HBR.org原文:How to Leave Work at Work, February 03, 2020.


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