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2020年3月1日、ゼネラル・エレクトリック(GE)を約20年率いて、「20世紀最高の経営者」と称されたジャック・ウェルチが亡くなった。本稿では、ウェルチと親交が深く、エグゼクティブサーチの専門家である筆者が、その豪腕でGEの成長を牽引した同氏のリーダーシップを振り返る。


 ジャック・ウェルチは当代きっての偉大なリーダーとの呼び声が高かった。1981年から2001年までゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOを務め、家電製品と電球のメーカーとして知られていた同社を、産業財ばかりかファイナンスやメディア事業まで手掛ける多国籍企業へと変貌させた。

 当初はコスト削減やレイオフを断行して批判を浴び、中性子爆弾になぞらえた「ニュートロン・ジャック」という異名をとった。しかしその後、GEの収益が拡大して株価が高騰すると、称賛を集めた。

 近年では、戦略、リーダーシップ手法、遺産(レガシー)への批判も少なくない。ウェルチは押しが強すぎたのだろうか。GEキャピタルに関して特に顕著だった、成長路線の執拗なまでの追求は、後年GE全体が陥った苦境の種となったのか。氏は本当に、模倣すべきCEOだったのか。

 当然ながらウェルチといえども、現役時代に失敗と無縁ではなかったし、21世紀におけるリーダーシップの理想像ではないかもしれない。とはいえ、仕事だけでなくプライベートでも交流のあった私は彼から学んだし、他の人々もいまなお教訓を得ることができるはずだ。

 以下、ジャック・ウェルチのリーダーシップ原則のうち、当人にとどまらず今日のマネジャーにとっても有用だと思われるものを、3つ紹介していく。