中国では、1.9兆円を超えたといわれる“巨大インフルエンサー市場”。この新たな市場を日本で創出・けん引する新進気鋭のスタートアップ、TAGPIC(タグピク)。20代でタグピクを創業した安岡あゆみ氏は、自らがインフルエンサーでもあり、経営者でもあるハイブリッド型経営者として活動することで、SNS時代における経営者の可能性を追求してきた。女性インフルエンサーのあらゆる活動を支援することで、間接的に女性活躍推進を支える安岡氏に、創業の経緯や同社のミッション、女性経営者としての想いなどについて伺った。

TAGPIC
ファウンダー 兼 代表取締役
安岡あゆみ

インフルエンサーを活用した
マーケティング事業を展開

 インスタグラムを中心に、SNSのインフルエンサー・マーケティングを手掛けるスタートアップ企業として、広告・マーケティング業界で大きな注目を集めているのがTAGPIC(タグピク)だ。

 創業者であり、代表取締役を務める安岡あゆみ氏は、新卒入社した広告代理店でD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドの立ち上げを経験し、2013年に独立。その後、ファッション・アパレルや美容業界向けにPR戦略の策定のコンサルティングや読者モデル、ブロガーなどのキャスティング事業を行っていた。

 インスタグラムを活用したプロモーションや、インスタグラム内にフォロワーを持つインフルエンサーのキャスティングに対する依頼がクライアントから徐々に増えていくなかで、2015年初頭、新たなビジネスモデルの検討を開始した。

 今でこそ、共感を生むSNSメディアとして浸透・定着したインスタグラムだが、2010年秋のサービス開始当時は「画像加工アプリ」という印象が強かった。ところが、「インスタグラムで撮ると、写真がすごくおしゃれな雰囲気になる」「ハッシュタグをつければ海外の人たちからも『いいね!』をもらえる」といった評判が、情報感度やITリテラシーの高い若い女性たちの間で急激に広がりを増していった。この頃から、ユーチューバーのマネジメント事業で急成長していたUUUMと同じように、今後インスタグラマー専業のPR事業は拡大するはずだと安岡氏は確信を深めていったという。

 決定的だったのは、旅行で訪れたニューヨーク州マンハッタンでのことだ。カメラやスマートフォンで撮影し、インスタグラムに投稿している若者たちに遭遇した。「米国では、街を行く大勢の人がインスタグラムを使っていて、屋外の看板にもインスタグラムのアカウントが全面に掲載されていました。このトレンドは今後、日本にもやって来る」と思い、2015年9月に創業した。

 2015年は、「インフルエンサー」という言葉さえ、あまり浸透していなかった時代。競合する企業もなかった。創業当初は営業に訪れても、インスタグラマーを使ってPRするという事業を理解してもらうのがなかなか難しかったという。しかし、2017年に「インスタ映え」が流行語大賞を受賞すると状況は一変した。

「多くのマーケターが、インスタグラムは今後のマーケティングの主軸になるということを認識し、大手のブランド企業からのお問い合わせが急増しました」(安岡氏)