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世の中には、タイムマネジメント(時間管理)を改善したい人に向けたアドバイスがあふれている。だが、そこで紹介されているツールを取り入れたところで、ほとんどの人には役立たない。時間管理の能力はツールの優劣ではなく、「認識力」「段取り力」「適応力」という3つの基礎力を備えているかで決まるからだ。本稿では、それら3つの力を高める方法を紹介する。


 プロジェクト範囲の拡大、ずれ込む期限、そして日に日に伸びる「やることリスト」――仕事でもプライベートでもよく経験することだ。

 時節柄、大胆にも「時間をもっと上手に使う」「生産性を高める」「大事なことに集中する」といった新年の抱負を立てる人は多い。こうした自己成長目標は、キャリア形成においてたしかに重要である。タイムマネジメント(時間管理)が従業員に最も要求される能力の一つであると同時に、最も希少な能力であるという、大規模調査のお決まりの結果を見るだけで十分だろう。

 では、どうしたらもっとうまく時間を管理できるようになるのだろうか。もちろん、その類のアドバイスには事欠かない。書籍、ブログ、ハック、アプリ、どれもすぐに使える即効ツールを謳っている。

 しかし、時間管理がうまくなりたい人にとって腹立たしいのは、そうしたツールがどれだけ効果的につくられていようと、役立つ見込みが少ないということだ。簡単に言えば、それらのツールは、その人に備わる基礎的な能力を前提にしており、時間管理に必要な基礎能力はいかなるツールやアプリにも先立つものだからである。

 例えるならば、上等な包丁一式と高機能なキッチン設備と新鮮な食材があれば5つ星シェフになれる、などと本気で考える人はもちろんいない。それと同じように、前提となる時間管理能力なしでスケジューリングアプリを使っても、よい結果を招く可能性は低い。