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キャリアの成功を左右するものは何か。自分の強みを活かすだけでは不十分で、悪い行動パターンを改める必要がある。自己防衛のために摩擦を避けたり、誰かに責任をなすりつけたり、どんな場面でも完璧主義を貫いたりすることは、周りの人間に迷惑をかけるだけではなく、あなた自身のキャリアを破滅に導くことにもなりかねない。


 自分の強みを活かすのは、もちろんいいことだ。しかし、人がキャリアで逆境に陥るかどうかは、多くの場合、何を上手にできるかでは決まらない。

 心理学者のエリック・ネルソンとロバート・ホーガンが指摘しているように、「高い成果を上げるチームを構築・維持する妨げになる」のは、その人の悪い行動パターンである。この主張は最近の研究でも裏づけられており、それをさらに掘り下げた研究も行われている。

 この点は、私がこれまで10年間にわたりCEOたちのコンサルティングをしてきた経験にも合致している。あなたにも思い当たることがあるだろう。チームがうまくいかなくなったときのことを思い出してほしい。そのような状況にいたったのは、メンバーの悪い行動パターンが解消されなかったのが原因だったのではないか。

「他人との接し方や自分の振る舞い方に関する悪い行動パターン」は、誰もが持っている。トマス・チャモロ・プレミュジックはHBR誌に寄稿した論文で、どのような悪い性格的特徴が働き手の、とりわけマネジャーの仕事の質を下げるかを論じている。

 過去に有益だった行動パターンが、いまは成功の妨げになる場合もある。子どもの頃は、家庭内の摩擦を避けることが好ましい結果をもたらしたかもしれない。ティーンエージャーの頃は、誰かに責任をなすりつければ、トラブルから逃れられたかもしれない。若い頃は、完璧主義を貫くことにより、不可能に思えたことを成し遂げられたかもしれない。しかし、そうした行動を放置すれば、いずれその人のマネジメント能力に壊滅的な打撃が及ぶ可能性がある。

 そのような悪い行動パターンは、情動に関わる脳の部位である大脳辺縁系によって引き起こされる(大脳辺縁系は、脅威を感じると、いわゆる「闘争・逃走反応」の引き金を引く部位だ)。そのため、この種の行動パターンを断ち切るのはときとして容易でない。

 だが、EI(感情的知性)を備えたリーダーは、こうした脳の反応を生む原因を把握し、自分の反応をコントロールできる。また、戦略的に行動できるリーダーは、自分やチームのメンバーが悪い行動パターンにはまり込まないように、適切な環境やチームのあり方を設計しようとする。

 私はコンサルティングの経験を通じて、6種類の悪い行動パターンを見出した。本稿では、対処法とあわせて、それを紹介したい。