●トップが交代する

 ゴードンの場合のように、上層部の顔ぶれが変わり、あなたの役職や部署、会社全体をコントロールする人物が変われば、自分を取り巻く状況が変わるかもしれないと思っておくべきだ。

 リーダーが交代すれば、個々の社員やチームの雇用が脅かされる可能性がある。新しいトップは、新しい発想の持ち主を招きたいと思うかもしれない。以前の職場で一緒だった人物を呼び寄せたいと考える場合もあるだろう。こうしたことは、既存の社員にとっては不吉な前兆と言わざるをえない。

 ●コミュニケーションの輪から弾き出される

 ゴードンのケースでは、ほかにどのような徴候があったのか。新しいCEOがやって来たとき、ゴードンは前任者のときと同じコミュニケーション方法が通用すると思い込んだ。どのように行動すべきかをCEOに助言することが最善だと思っていたのだ。

 このスタイルは、前任者に評価されていた。それに、新任のCEOはまだ会社のことをよく知らないので、そうした助言をすれば歓迎されるだろうと思えた。

 しかし、新しいCEOはそうした態度を差し出がましく、傲慢だと感じた。そのことにゴードンが気づいたときは、もう遅かった。幹部チームから排除されてしまったのだ。

 突然、それまで当然のように出席していた会議に招かれなくなり、機密情報を記した書類のコピーが回ってこなくなった。非公式なコミュニケーションの輪からも締め出された。幹部チームのメンバーに最新の状況を尋ねても、まともな返事が戻ってこなくなった。

 こうしたことはすべて、ゴードンが新しいトップの不興を買い、職が危うくなったことを示す警告サインだった。

 ●社内での保護者を失う

 前のCEOが会社を去ったとき、ゴードンは社内での最大の保護者と支援者を失った。しかも、ゴードンは前CEO以外の取締役たちとの関係を築けていなかった。もし、そのような人間関係を育めていれば、上層部に味方が増えて、経営陣の交代による荒波をうまく乗り切れたかもしれない。

 あなたが働いているのがどのような組織でも、「私の味方になってくれる人は誰か」と考えることが重要である。あなたのために社内で政治的資本を費やしてくれる有力者を、複数持つよう心掛けよう。

 ●任される仕事が減る

 上層部があなたを解雇するつもりであることを示す兆候としては、仕事内容の変化も挙げられる。以前は部署内で新プロジェクトの主導役として真っ先に声がかかったのに、みずから名乗り出ても仕事を任されなくなったとすれば、それは悪い徴候と考えるべきだ。

 私の顧客であるキャシー(仮名)は、まさにその通りの経験をした。ある学術機関で部長を務めていたが、わずか数週間の間に、主な業務のほとんどが同僚の担当に変更されてしまったのだ。

 事前の警告らしいものはなかった。ことあるごとに上司と話し合おうとしたが、そのたびに言い訳や妨害に逢うだけだった。ほどなく、キャシーは解雇を言い渡された。

 勤務評定で高い評価を受けたり、ましてや昇進したりすれば、自分の職は安泰だと思い込む人もいるかもしれない。しかし、その認識が間違っている場合もある。自分が解雇されそうだという兆候を見逃してはならない。不確実性の高い状況では、とりわけその重要性が大きい。

 本稿で記した4つの徴候を頭に入れることで、自分の職が危ういことを察知できれば、前もって準備し、将来の選択肢を広げるための行動を取ることができる。


HBR.org原文:4 Signs Your Job Might Be in Jeopardy, January 10, 2020.


■こちらの記事もおすすめします
上司に裏切られたとき、あなたはどう対処すべきか
理想の仕事に就けなかった失望を乗り越える4つの戦略