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グローバル企業で重要なポジションに就くためには、修士や博士が必須であることは珍しくない。学士の価値はどんどん低下しており、米国では大学院卒者の数が急増している。だが、誰にとっても大学院に行くことが価値を持つかといえば、そうとも言えない。本稿では、院への進学を検討する際の具体的な判断基準を示す。


 米国では前代未聞の雇用の伸びと低失業率が続いているが、最も競争率の高い仕事に就くのは相変わらず大変だ。グーグルマイクロソフトなどのテクノロジー企業は年間200万人、ゴールドマン・サックスなどの銀行は数千人の応募者の中から一握りを採用する。

 これらの人気企業は一様に、優秀な従業員に必須の能力として、心の知能指数(EQ)やレジリエンス、学習能力といったソフトスキルを強調する。だが、重要ポジションでは、大学院卒であることも不可欠とされる。しかしそれは、現在の供給レベルを超えているという問題がある。たとえばIT関連の求人は50万件あるが、IT関連の大学院卒者は年間5万人程度にすぎない。

 大学進学者が増加の一途をたどるなか、学士号の相対的価値は低下する一方だ。すでに米国の成人の3分の1が大卒である(1940年代はわずか4.6%だった)。世界的に見ても、大学の学位取得者は、この20年で倍増した(ユネスコ調べ)。

 だとすれば、大学院への進学を検討する社会人が増えているのもうなずける。米国の大学院卒者は、1970年代と比べて3倍に増えた。これまで学部卒で十分だったポジションに、院卒を求める会社は27%に上るという推測もある

 では、大学院に行くべきかどうかを判断するとき、どんな要素を考慮する必要があるのか。大学院進学は、本当にその時間(とお金)に見合った結果をもたらしてくれるのか。いくつかの検討事項を以下に挙げておこう。