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ミレニアル世代が消費の中心になるので、彼らをいかに惹きつけるかが事業成長のカギを握る。そのような主張をよく見かけるが、実際には、50歳以上の購買力が圧倒的に大きい。にもかかわらず、企業はこの層に対するマーケティングをおろそかにしている。まず、「老化現象に悩んでいる」「テクノロジーに疎い」などの固定観念を取り払う必要がある。


 私は今年、60歳になった。誕生日の数週間後には、さっそくクイーンズ区の霊園からダイレクトメール第一号が届いた。私はクイーンズに住んでいないし、いつの日か終末を迎えても、クイーンズに埋葬されたいとは思わない。

 さらに、失禁や勃起不全といった覚えのない疾患に関わる広告攻撃に遭っている。出会い系サービスの広告もびっしり貼られる。もっとも、これは数撃ちゃ当たる式のマーケティングとアルゴリズムのようだ。「同じ」キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の独身信者と交流できるという。

 どれも私の検索履歴によるものであるはずはなく、私の年齢から、私が交際を切実に求め、老化現象に悩み、死について深く考えているに違いないと、勝手に思い込まれているだけである。その一方で、私が本当に興味を持っているもの、たとえばローマの素敵なホテルやニューヨーク州北部の美しいハイキングコースなどに関するマーケティングは、ほとんど見たことがない。

 それはデータによると、私だけではないようだ。50歳以上の人が広告に登場するときは、喜ばしくないことに関係している場合が多い。50歳未満の人が喜ばしくない描写をされる割合はわずか4%であるのに対し、50歳以上では28%に上る。

 50歳以上の人が写っているインターネット上のメディア写真の7割は、「孤立したシチュエーション――主に独りで、パートナーと、または医療専門家の患者として座っている」姿であると、米国の高齢者団体 AARPは報告している。

 ただし、それはあくまで写っている場合の話だ。「米国の成人人口の46%が50歳以上であるにもかかわらず、成人が写っている[オンライン]画像のうち、50歳以上が写っているのはわずか15%」であることが、最近のAARPの調査で明らかにされている。