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マネジャーの役割は多岐にわたる。仕事のサポートはもちろん、時にはプライベートの相談を持ちかけられることもある。親身に応じることは素晴らしい反面、他人の心の痛みや悲しみを共有することによる精神的なストレスは大きく、上司にも部下にも負の影響を与えかねない。この問題をどうすれば解決できるのだろうか。


 あなたが新たにマネジャー職に就いたと想像してほしい。職務に就いて数ヵ月後、直属の部下の一人が話をしにきた。最初はその部下が何を必要としているのかがよくわからなったが、会話を交わすうちにプライベートな問題を話しているのだと気づいた。

 彼は年老いた両親を介護する役目を担っており、その責任を果たすのは大変で、両親の健康状態が悪化するのを見るのは悲しいと打ち明ける。彼はこの状況にもっとうまく対処し、両親の人生にもっと深く関わる方法を知りたいと思っている。「何かいいアドバイスはありませんか」と感情を高ぶらせながら、あなたに問いかける。

 このような状況に出くわしたら、あなたはどう思うだろうか。我々の研究によると、心の痛みや悲しみ、不安が混ざり合うように感じることが多い――加えて、その日はいつもより仕事に集中できなくなってしまう。

 リーダーたちは職場で日常的に、プライベートな問題をサポートしている。事実、業界によっては、部下からのそうした要請に応じて、リーダーが毎週2時間半も費やしていることを示す研究もある。相談される問題は多岐にわたり、結婚生活からメンタルヘルス、子育てにまでおよぶ。

 我々の大半がどれほど長い時間を職場で過ごしているかを考えると、部下がプライベートな問題を上司に打ち明けることがあっても驚くに値しない。それに、他の同僚ではなく上司のところに駆け込む傾向があるのは、職場での感情的な問題に手を差し伸べるのは上司の責任と考える人が多いからだ。

 しかし驚いたことに、このような要請に対応することが、リーダー自身の職場における心理状態やパフォーマンスにどのような影響を及ぼすかということについては、ほとんどわかっていない。