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同じ生産性で、同じ成果を上げたとしても、女性は男性と同等の評価を受けにくい傾向がある。その理由はなぜか。筆者らは、女性が男性よりも自己アピールに積極的でないことが、その一因であるという仮説を立て、生命科学の世界を対象に綿密な検証を行った。


 科学界では、男女間の格差が縮まっている。とはいえ、女性の待遇は依然として男性より低く、最高職位のレベルでは特にそれが顕著である。

 たとえば、生命科学の分野では現在、博士号を取得する女性と男性の数は同程度だ。しかし、米国の研究大学における生命科学の正教授のうち、女性は4人に1人しかいない。そして、この分野では女性研究者の収入も、受け取る研究費の額も男性より少ない。

 学術界におけるこうした男女格差の背景には、多くの要因がある。ただし、生産性の差異は理由ではない。そうではなく研究によれば、女性は男性に比べて、同等の業績に対する正当な評価を受けにくいことが示唆されている。ではなぜ注目されにくいのか、という理由はいまだに定かではない。

 筆者らは、研究で次の点を検証した。女性と男性は、自分の研究について説明する際、ポジティブな言葉――「新しい」「ユニーク」「前例のない」など――を使ってアピールする(または長々と述べる)度合いに差があるのだろうか。

 女性は研究論文の中で、ポジティブな形容詞を使う割合が男性より少ない。このことを筆者らは、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』掲載論文において立証した。このプレゼン傾向の違いが、ひいては論文への注目度に影響していると考えられるのだ。