●最も引き金になりやすいものを突き止める

 自分が反芻していることに気づかなければ、それを鎮めることはできない。だが、いつも自覚できるとは限らない。早く自分で気づけるようになるために、これまで何が反芻の引き金になったかを考えてみるとよい。たとえば、こんなことかもしれない。

・まだ信用していない人と協力する。
・自分よりも頭がよさそう、あるいは野心がありそうな人のそばにいる。
・キャリアをステップアップさせようとする。
・金銭的に大きな決断を下す。

 自分を責めているのか他人を責めているのか、主な反芻のパターンがどちらなのかを見極めよう。反芻が重症化している人はたいてい、どちらかに偏っている。

 ●心理的な距離を置く

 次に、反芻する事柄に対して心理的な距離を置こう。もしかしたらあなたは、自分の成功に何の影響も及ぼさない人々からどう見られているかを気にしているのかもしれない。ごくわずかなお金にこだわっているのかもしれない。客観的に見ればかなり成功しているのに、自分は劣等生だと思っているのかもしれない。

 心理的な距離を置くには、脳裏を去来するものに思考や感情という名前を与える方法がある。この方法はエモーショナル・アジリティ(感情の敏捷性)をテーマとするHBRの記事で、よく説明されている。「私には能力がない」ではなく「私は自分に能力がないと感じている」と言おう。もっと気楽にかまえて「やれやれ、またいつもの反芻思考に火がついたな」と言うのもよい。

 自分の反応に馬鹿げた面があることに気づくと、あまり深刻にならなくなる。あなたの反芻に、微妙な特権意識や自己陶酔が潜んでいないか注意してみよう。いつでも物事が自分の期待通りに運ぶと思っていないだろうか。周囲があなたのあら探しをしていると思い込む傾向はないだろうか。実際には、周りはそれぞれ自分のことを考えているだけかもしれない。

 ビジネス界のスーパースターやセレブと自分を比較することに、時間を費やしていないだろうか。自分は特別だとか、何でも自分に向けられていると考えるのは、世界が自分を中心に回っていると考える傾向の表れだ。

 もし心当たりがあれば、あなたの人格を否定されたとは思わずに、ナルシストなのに不安を感じているという皮肉に目を向けよう。テレビドラマのとんでもなく自意識過剰な登場人物になった自分を想像してみてもいい。この方法は、あらゆる反芻のテーマに通用するわけではないが、効くものには効く。

 ●反芻と問題解決を区別する

 ごくまれに、反芻するうちに何か役立ちそうなことがひらめくかもしれない。だが、たいていの場合、反芻は思考回避で対処しようとする回避型コーピングだ。

 一般に、反芻すればするほど、効果的な問題解決から遠ざかる。反芻する人は解決策を考えているわけではなく、迅速かつ効果的に問題解決に動くこともない。ある研究によると、過度に反芻する傾向のある女性は、胸のしこりに気づいてから病院に行くまでに、そうでない人よりも1ヵ月以上長くかかったという。

 反芻から改善へとモードチェンジするには、「現状を踏まえると、いまここで何がベストの選択か」と自問してみるといい。たとえそれが、最も完璧で、最も包括的な選択肢でなくても、まず一歩を踏み出すことから始めよう。この方略は、特に完璧主義者に効果がある。自分が犯した失敗を反芻しているのなら、再び同じことが起きる可能性を減らす戦略をとろう。