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受験や就職面接、期末の人事考課など、あなたの仕事ぶりを自己査定するよう求められることがある。セルフアピールが得意な人とそうでない人では昇進や昇給に格差が生じる可能性もあるが、筆者らが1500人を対象に調査を実施したところ、女性は男性に比べて自己アピールに消極的であるという事実が判明した。こうした男女差は、なぜ生じるのだろうか。


 四半期の数字がちょうどまとまった頃、上司に今期のあなたの営業成績はどうだったかと聞かれる。自分の仕事ぶりについて、何と答えるだろうか?「非常によくやった」「まあまあよくやった」それとも「ダメだった」だろうか?

 客観的な業績指標(この四半期の売上額など)と異なり、自分の仕事ぶりについて聞かれた場合、主観的にどう答えてよいか悩むことは多い。正解はないのだ。

 それでも、仕事をしていれば、そうした自己査定を求められることはいくらでもある。学校を受験するとき、求人の応募や入社面接、人事考課の面談や会議などでも、自分の成績や業績を主観的に説明するよう求められる。自己のパフォーマンスを人にどう伝えるか、それをその人のセルフプロモーションのレベルと呼ぶ。

 セルフプロモーションは仕事に付き物であるため、自己アピールの盛んな人は、採用、昇進、昇給、賞与を獲得するチャンスが多い可能性がある。我々は、所得、交渉、企業リーダーシップにおける男女格差を研究する中で、セルフプロモーションにも性差が存在するのか、それがそうした男女格差に影響を与えているのかが気になった。

 調査したところ、大きな男女格差があった。男性は、同等のパフォーマンスの女性よりも33%高く、自分のパフォーマンスを自己評価していた。

 何がこの格差を引き起こしているかを理解するために、個人のセルフプロモーションのレベルに影響を与えている可能性のある、2つの要因に注目した。自信(自分の実際の成績がどうだかわからない)と戦略的インセンティブ(昇給や昇進を得るためにアピールする)である。 

 調査は、労働市場プラットフォーム、アマゾンメカニカルターク(Mturk)でワーカーを1500人雇って実施した。各ワーカーに、数学や科学の分析問題を20問解いてもらい、そのテストで何問正解したと思うかを予測させ、自信の評価とした。さらに、セルフプロモーションを評価するために、人事考課面談で聞くような主観的な質問に4問答えてもらった。たとえば、「テストはよくできた」という文章に、どれだけそう思うかを100点満点で回答させた。

 調査は4バージョンを準備し、参加者を無作為に振り分けた。

「公開」バージョンの調査では、実際と同じようにワーカーにインセンティブを与えた。つまり、セルフプロモーションの質問に対する回答の1つが「雇用者」(別のMTurkワーカー)に伝えられ、雇用者がその回答(のみ)でワーカーを採用するかどうか、その場合いくらで採用するかを判断することがワーカーに告げられた。雇用者にも、採用したワーカーのテストの点数に基づいた報酬が得られるという、パフォーマンスの高いワーカーを採用するインセンティブが与えられた。

 結果として、男性は女性よりもセルフプロモーションを格段に多く実行した。たとえば、テストの出来は平均すると男女変わらなかったにもかかわらず、このバージョンの男性が100点中平均して61点と自己採点したのに対し、女性は100点中46点と自己採点した。このセルフプロモーションは奏功し、自己採点で高い点をつけたワーカーのほうが採用され、高給を得た確率が高かった。