では、仕事から帰った配偶者をサポートする、ベストな方法とは何だろうか。

 一貫して評価されたのは、積極的に話を聞いてくれるアクティブリスニングだった。結局のところ、回答者のほとんどは、その日がどうだったかにかかわらず、話を聞いてもらいたいと思っていた。

 男性の55%、女性の79%が話を積極的に聞き、気持ちを察し、そこにいてくれる配偶者をありがたいと回答した。男性の29%は、自分の気持ちを表現したあと、妻に促されて、他のことをして気晴らしになったのがありがたかったと言う。一方、女性の36%は、夫が家事や育児を手伝ってくれる(夕食の準備、子どもの寝かしつけなど)のがありがたいと回答した。

 職場でも同じようなサポート戦略が使えると思われる。同僚が個人的な出来事を話したいときに、そこにいて、よく聞いてあげること。必要なら仕事を手伝い、終わったら自分の仕事に戻ることである。

効果的なサポートを提供するための第一歩

 どちらかが疲れ果てて帰宅する前に、お互いにどのようなサポートが必要かを話し合っておくことから始めては、どうだろう。仕事が大変だった日に、配偶者からどのようなサポートが必要だろうか。仕事がうまくいった日はどうだろう。

 サポートのタイミングについても話し合おう。たとえば、小さい子どものいる家族は、まずやらなければならない子どもの世話を片づけ、子どもを寝かしつけてから、仕事で起きたことを話すとよいかもしれない。子どものいない夫婦や、子どもが大きい夫婦は、帰宅後10分間のガス抜きやお祝いの時間を設けてから、ほかのことを始めるようにしてもよいだろう。

 職場では、会話とスケジューリングを組み合わせるのもよい。たとえば、出社後の最初の数分間に、家で起きたネガティブ(とポジティブ)な出来事を互いに話し、それぞれのメインの仕事を進めたあと、昼時間にさらに突っ込んで話すなど。

 今回の調査で、夫婦や同僚が必ずしも効果的にサポートし合っていないこと、そして、男女の間に埋めるべき大きな溝があることが明らかになった。ところが、そうでありながら、男女ともに、注目に値するほど同じことを求めていた。それは、配偶者や同僚に話を聞いてもらいたいということだ。

 ということは、アクティブリスニングが真の第一歩と言えるのかもしれない。それは、互いに良い日もあれば悪い日もある日常において、不安定な心の支えになるばかりでなく、夫婦や仕事仲間の間の距離を縮めることにもつながる。そうすることが、配偶者や同僚が日々果たしているさまざまな役割や、そうした役割が人間関係全般にどのように影響し、人間関係をどのように改善できるかについて、より理解を深めることにも役立つだろう。


HBR.org原文:Research: When Juggling Work and Family, Women Offer More Emotional Support Than Men, March 21, 2019.

リーケ・テン・ブランメルユイス(Lieke ten Brummelhuis)
サイモン・フレーザー大学ビーディ・スクール・オブ・ビジネス准教授。経営学を担当。オランダにあるユトレヒト大学で組織社会学の博士号を取得。関心のある研究テーマは従業員の福利に関するもので、ワーク・ライフ・バランスやストレス、ワーカホリック、回復、健康などがある。

ジェフリー・グリーンハウス(Jeffrey H. Greenhaus)
ドレクセル大学名誉教授。経営学を担当。研究テーマは、仕事と家庭の関係、キャリアダイナミクス。論文、著書、著述多数。ジェリー・キャラナン、ロニー・ゴッショーク との共著Career Management for Life、ゲーリー・パウエルとの共著Making Work and Family Work(いずれも未訳)がある。


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