●何度も状況確認に行くのをやめる

 特定のプロジェクトの様子を何度も確認しに行くことは助けになると思っているかもしれないが、部下たちが同じように考えている可能性は低い。実際は、部下たちを監視したいのだと認めよう。何度も部下のところに出向いて確認するのではなく、部下から自分のほうに来させるようにしよう。

 これを上手に実行する方法は、定期的にミーティングを設定して、プロジェクトの進捗状況について話し合うことだ。たとえばセールスチームとのミーティングでは、進行中の案件について、それぞれの進捗状況を話し合ったり、翌週のミーティングまでにそれぞれの案件を前進させられるかについてブレーンストーミングしたりすればよい。

 そうすることで、上司が進捗状況を知りたいタイミングを把握し、それに合わせて日々のスケジュールを組むことができる。上司の側も、個別のタスクやアカウント、あるいはプロジェクトの子細にとらわれることなく、結果に集中することができる。

 ●チームのエキスパートを信頼する

 あなたは自分にデザインの経験がまったくないのに、どの色を使うべきかデザイナーに繰り返し指示するタイプだろうか。別の言い方のほうが聞こえがいいからという理由で、コピーライターが手を入れた文法的な修正には応じられないと言ったことはあるだろうか。

 もしこれらの質問のどちらか(あるいは両方)に対する答えが「イエス」なら、自分のチームが持っている専門知識を活かすための自立性を与えていないことになる。

 あなたは「マネジャーは答えをすべて知っている必要がある」と考えて、自分がマイクロマネジメントすることを正当化したくなるかもしれない。しかし、その必要はない。上司としての仕事は最良のアイデアを承認することであって、みずからがアイデアを出す必要は必ずしもない。

 そもそも、なぜ自分がデザイナーやコピーライターを雇ったのかを思い出してほしい。彼らが専門的なスキルや知識を持っているからだ。チームのエキスパートは目の前の仕事に対して、より深い洞察を持っているため、潜在的な可能性に気づき、その機会を上手に利用できる可能性が高い。

 やるべき仕事に関して上司が持っている一般的な知識は、適材を適所に配置するために使うこと。配置後にチームのエキスパートをマネジメントするカギは、自分が何を必要としているかを伝え、彼らが仕事を達成するために必要なサポートとリソースを提供し、仕事を進めていくのを信用して見守ることである。

 ●自分が安心できる範囲を超えて、部下に任せる

 経営幹部には、達成すべき収益目標や売上目標がある。そのため、ある重要な仕事が発生すると、「もし何かをちゃんとやりたいなら、自分でやるべきだ」という古い格言に立ち帰りたくなるかもしれない。不慣れなメンバーには、実際に重要なタスクを任せるよりも、上司の仕事ぶりを見て学ぶほうがいいはずだと、自分に言い聞かせてしまう。

 しかし、そのようなアプローチは、チームの将来を考えれば、あるいはマイクロマネジャーというあなたの評判を払拭するためにも得策ではない。そうではなく、部下たちを難易度の高い仕事に挑戦させることだ。

 たとえば、ノードドットアイオー(Node.io)で同社全体の収益責任者を務めるグレッグ・マクベスは、みずからのセールスチームに、早い段階から頻繁に交渉を任せている。「セールス担当者が交渉の場で、自分の能力を存分に発揮しようと挑戦することに、不安に感じてはいけない」と彼は語る

「その後で、実際のミーティングや録画したセッションを振り返り、何が正しくできて、何が次回の課題なのか検証することだ」。セールスの最中に干渉するのではなく、後でフィードバックを与えれば、「マイクロマネジメントする上司」から「サポート上手なコーチ」に変わることができる。

 マクベスは、不測の事態が起きるたびにメンバーをコーチすることはできないとしているが、実地経験は学習に不可欠なものだと感じている。

 ギャラップの調査によると、自分のチームにより多くのことを任せると好ましい結果が生じることが示されている。他人に任せる才能があり、その才能を使いこなせるビジネスリーダーは、企業経営に関わる些末な問題にとらわれるリーダーよりもビジネスを大きく成長させて、成功することができる。

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 今度、自分が部下の仕事の些細な問題にはまり込んでいると気づいたら、深呼吸をして、その状況からゆっくりと抜け出そう。たいていの場合、マイクロマネジメントする代わりに取るべき行動を見出すことができるはずだ。

 部下たちは助けが必要なときにはみずから申し出てくるものだと期待し、彼らは自分の仕事の内容をきちんと理解していると信頼することが、長期的にはチーム全体を助けることになる。チームがもっと多くのことに取り組めるように権限を与えれば、あなたの不安は払拭され、マイクロマネジメントもかなり減るはずだ。


HBR.org原文:3 Ways to Kick Your Micromanaging Habit for Good, December 02, 2019.

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セレニティ・ギボンズ(Serenity Gibbons)
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の元アシスタントエディター。ニューヨーク大学卒。カリフォルニア州在住。すべての人に政治・教育・社会・経済的平等を確立し、人種差別をなくすことをミッションとする全米有色人地位向上協会(NAACP)のカリフォルニア州北部支部長を務める。スカイベルのような急成長中の新興企業との協業から、デルやオラクルといった大企業に対するアドバイザー業務まで、幅広い経験を持つ。世界を変革しようとする人々とのインタビューや記事執筆にも取り組む。