この点を探るために、我々OECD(経済協力開発機構)は調査を実施した。

 筆者らは2つの新たな調査を通じて、競争環境の鈍化を示す兆候を、多くの国々で発見した。この分析で用いた2つの異なる指標は、企業のマークアップ率と、産業集中度(寡占度)である。

 分析結果を見ると、はじめに米国で観察された傾向は、より広い現象の一部であり、多くの先進国経済に共通する要因が原因である可能性が高い。

 1つ目の調査では、25の先進国における企業のマークアップ率を2001~2014年にわたって検証した。すると、平均的企業の間で全体的な上昇が認められたが、マークアップ率分布の最上位では、増分はさらに大きかった。今日にマークアップ率が高い企業は、過去の企業よりも、上乗せ分が多いと思われる。重要な点として、サンプルから米国企業を除いた場合でも同様の結果となった。

 2つ目の調査では、2000~2014年の欧州と北米における産業集中度の推移を比較した。欧州では集中度は高まっていたが、北米ほど顕著ではない。各産業における最大手8社のシェアの増加率は、平均すると欧州では4%ポイント、北米では8%ポイント。両地域で全産業の4分の3において、集中度が高まっていた。

 過去の研究では、スタートアップ起業率の低下と雇用回転率の停滞が、OECD加盟諸国全体で見られることが立証されている。それらのエビデンスと今回の調査結果を加味すると、米国ではじめに観察された傾向の多くは、より広い範囲にも当てはまるため、米国固有の政策のみによるものではないことがわかる。

 では、何が原因だろうか。