このアイデアをテストするために、米国でマーケティング・サービスとカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を専門に調査するマリッツ(筆者2人が働いている)の正社員46名に調査を行った。

 ランダムに選んだ半数の従業員にプロタイムを実行させるため、それぞれのスケジュールにプロタイムを組み込むためのセッションを毎週30分、設けさせた。このセッションで、従業員はそれぞれに重要度と緊急度の高い仕事のリストを作成し、その先2、3週間、毎日1日2時間をブロックし、そのブロックしたプロタイムに、重要だが緊急ではない仕事を入れ込んでいった。こうすることで、プロタイムの時間が来たときには、難しい面倒な仕事に取り組む心づもりができていることになる。

 残りの従業員には、比較対象として、プロタイムの指示はせず、普段通りに仕事をしてもらった。

 プロタイムの導入に先立ち、両グループに対して、ストレス、生産性、時間管理、仕事量、クライアント対応に関する25項目のアンケートを実施した。6週間の実験終了後、同じ25項目に回答してもらった。

 以下は、プロタイムを組み入れた、当社従業員のスケジュールの一例である。

 6週間のプロタイム実験後、プロタイムを導入した従業員の14%が、前よりも時間を有効に使えるようになったと回答した。また、9%が仕事が多すぎると感じることが減り、12%がより多くの仕事をこなし、重要な期限を守り、重要なタスクを早く完了できるようになったと回答した。

 これに対して比較対象の従業員は、6%が効率が下がり、10%が仕事の負荷が増えたと感じ、4%が生産性が下がったと回答した。プロタイムの導入で最もメリットがあったのは、最も時間に追われていると思われた従業員であったこともわかった。

 企業にとって最も気になるであろう、クライアント対応に関しては、グループ間に差が見られなかった。すなわち、顧客サービスの質は、プロタイムの犠牲にならなかった。

 プロタイムを実施した従業員は概して、自分の仕事により満足を覚えていた(従業員満足が高いほど生産性が高いという因果関係を示した最近の調査結果を踏まえると、この点は重要である)。プロタイムを実施したグループの84%が、この手法を組織全体で導入すべきだと回答した。

 プロタイムの時間枠で従業員がどのように時間を使ったのか、こうした効果がどれだけ持続するのか、仕事以外でもメリットがあるのかを知るためには、さらなる調査が必要だが、全体として、従業員が意識的かつ自律的に時間を使うと、ウェルビーイング、満足度、さらには生産性までもが向上する可能性があるといえるだろう。