理念と実践と戦略が
合致している強み

海津 1つ目の理由にありますが、御社の改革は、全て「一人ひとりの能力を最大限に伸ばす」という「理念」に行き着きます。

公文教育研究会
執行役員 日本統括本部長、指導者・会員サービス本部長
海野肇

1982年公文教育研究会入社。町田事務局、大宮事務局、東京本部等を経て、人材開発、社長室業務に携わる。その後マーケティング戦略推進本部を経て、2019年7月より現職。

海野 会社の改革の目的の一つは、会社の原点に立ち返ることや、創業者の思いを振り返ることを通じて、「そもそも、何のためにこの会社は創業され、存在しているのか」を全社員、全関係者の心に再度、深く刻むことではないでしょうか。これが、改革の肝だと思っています。

 その点において、「公文の理念」が、私たちの最大の同志である指導者と社員に、広く浸透しているという状態があります。これは非常に強みですし、私たちの改革の土台になっているのは間違いありません。さらにこの理念は、飾り物の概念ではありません。実際に子どもを伸ばせるかどうかという「実践」であり「戦略」なのです。「理念」と「実践」と「戦略」が重なり合っているので、改革を進めやすいところはあると思います。

海津 「理念」がただの形式的なスローガンではなく、会社の実践であり戦略として機能しているのですね。かつ、その「理念」が社員間に深く浸透していると。

河村 幸い、この理念に引かれて入社してくる人が非常に多い会社だと思います。目の前に小学生のお子さんが来た場合に、1年後にどこまで伸ばせたか。指導技術を上げ、子どもを見る目を高めれば、次に同じようなお子さんが来たときには、もっと伸ばせるのではないか。これが指導者の中にある感覚です。このレベルを高めていくことには終わりがなく、指導者も社員もまだまだという感覚があります。

海野 会社の組織風土を変えるというテーマで考えた場合、多くの会社は「会社自体をどうするか」と考えるのでしょう。しかし、弊社には「公文の理念の下に、指導者が情熱を持って実践している教室」が存在しています。ですから、私たち社員も、もっと自分自身の可能性を追求しなければならない、と思うのです。

 「一人ひとりの能力を最大限に伸ばす」可能性の追求において、指導者も社員も、「もっといいものはいつもある」と、満足をしていません。

海津 御社の「コア・ケイパビリティ」(成長の原動力となる組織能力)が、「子どもを伸ばす力」でもあり、「指導者や社員を伸ばす力」でもある。

同じ理念を持ち続けている皆さんの「意志と願い」があり、それが会社の「戦略」であり、そして、実際に個々を伸ばす「組織能力」を備え高め続けている。公文はこれらが一致している強さが土台となり、全社員、さらには指導者や顧客をも巻き込んだ、新たな形の全社改革に取り組むことができているのでしょうね。