たとえば、条件のよいデジタル関係の仕事に直接つながるラストマイル・トレーニングを提供するブートキャンプや、「ラムダ・スクール」のような給料の前借りモデルで通える無料大学がある。ただし、どれも18歳人口のクリティカルマスには達していない。

 大卒資格が望ましい職業のスタート地点に立つための先行投資になる以前、あるいは大学が市場調査を経て綿密に設計した修士プログラムを増殖させる以前、最善の選択肢は、実際にその職業に携わっている人の門を叩くことであった。

 初歩的な仕事あるいはインターンシップを通じて、みずからが役立てるよう努力し、自分に何ができるかを学ぶ。一部の業界では歴史的に、「見習い制度(apprenticeships)」の形をとっていた。授業料は不要というだけでなく、仕事を学びながら給料をもらえるものだった。

 今後10年の間に、成長分野で条件のよい仕事に就くための進路として、さまざまな趣向の見習い制度が、大学に代わる実質的な選択肢として拡大していくと、私は予想している。

 プログラムの提供者として最も大きいのは、スキル格差のある領域の人材派遣会社だろう。人材派遣会社はすでに、エントリーレベルの人材の調達、選抜、訓練において、大規模なビジネスを構築している。見習い制度の最大の事業者が、人材不足に悩むクライアントのために、目的を持って訓練されたエントリーレベルの人材を育成し、その規模を拡大したいと思うのは、ビジネスとして当然のことだろう。

 見習い制度のプログラムとして成長が見込まれるのは、顧客向けの商品またはサービスとして人材を組み込むプログラムだが、それは見習い制度の事業者自身が財務目標を達成できるモデルでもある。私たちはそれを「見習い制度のアウトソーシング」と呼ぶ。多数のクライアントのために、専門企業が運営する見習い制度である。

 現行のエントリーレベルの雇用システムは破綻したと、大半の雇用者が考えているいま、人材獲得競争の次の最前線はエントリーレベルの雇用になるだろう。そして、この戦いで最初に敗北するのは、旧態依然とした大学になりそうだ。


HBR.org原文:Will a Bachelor's Degree Matter as Much for Gen Z? October 07, 2019.

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ライアン・クレイグ(Ryan Craig)
高等教育の未来のイメージを再考し、教育から雇用へ新たなキャリアパスを創出するユニバーシティ・ベンチャーズのマネージングディレクター。著書にCollege DisruptedおよびA New U(いずれも未訳)がある。