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現代人は常に時間に追われている。仕事でも家庭でも、あなたがやるべきことは山積みだ。多くの人が働く時間を増やすことでこの問題解決を図るが、そのやり方は本質的ではない。不安やプレッシャーがいっそう増し、パフォーマンスを低下させるので、さらに追い詰められているように感じるだけである。筆者は、5つの対処法を推奨する。


 私たちの仕事はますますハードになり、これまでになく複雑な問題が、ほぼ絶え間なく起きている。そのうえ、個人や家族の用事もある。ともすると、忙殺されてしまうのは無理もない。

 著書『なぜ人と組織は変われないのか』で、ハーバード大学教授のロバート・キーガンとリサ・レイヒーは、ますます複雑になる現代の生活に「ついていけない」と感じる人が増えていると述べている。そう感じるのは、世の中の複雑性が、脳の複雑性や人間の対処能力を超えているときであり、これは頭の良し悪しとは関係なく、人がどのように世界を理解し、その仕組みの中で生きているかに関係しているという。

 仕事が増えたとき、人はどうするかというと、働く時間を増やそうとする。立ち止まってそうしなければならない理由を考えたり、新しいやり方を見つけようとしたりはしない。私のクライアントにもいる。彼らはカウンセリングを始めた当初、4時起きで仕事をこなそうとしていた。

 最近株式公開したIT企業に勤めるスーは、同時に複数プロジェクトのリーダーを務め、重要なメールを見落としたらどうしようと冷や冷やしている。レイトステージ企業でシニアリーダーを務めるアジャイは、増える一方の「やることリスト」を減らすために一人の時間をつくりたいと思っているが、まるで穴底から這い出したいのに、どんどん深く沈んでいっているような気がするという。スタートアップの共同創業者であるマリアは、会社が大きくなるにつれ、不安に押し潰されそうだった。

 1兆ドル企業のCEO、たとえばアップルのティム・クックは、朝3時45分に起床するというが、ほとんどの人はそこまでの責任を抱えていない。

 追い詰められている状態が長く続くと、精神機能の低下や物忘れ、混乱、集中力や論理的思考の低下から、支離滅裂な言動、問題解決能力の低下まで、さまざまな認知作用を及ぼす。脳がオーバーヒートした状態が一定期間以上続くと、認知疲労が起こる場合もあり、そうなると思考が散漫になったり、臨機応変な考え方ができなかったりする。こうした作用は、それが一つだけでも仕事のパフォーマンスを低下させるため、よりいっそう追い詰められたように感じる。

 いつも重圧を感じている人は、次のことを試してみるとよいだろう。