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ビジネスパーソンは日々、さまざまな交渉に臨んでいる。その相手はクライアントだけでなく、昇進やワーク・ライフ・バランスの実現をかけて、職場の上司や同僚が対象になることも多い。交渉の場において、女性と男性では経験が異なると筆者は言う。本稿では、女性が直面しやすい3つの課題を明らかにして、その解決策を提示する。


 人は毎日、職場でたくさんの交渉をしている。

 管理職なら、自分の部署のためにリソースを確保したり、新しいポジションをつくったり、既存のポジションを維持するために交渉する。一般社員ならば、もっと柔軟な働き方をさせてもらったり、勉強の時間をもらったり、新しい職務を認めてもらうために交渉する。私たちは自分と仲間を助け、仕事を管理するために、日々交渉しているのだ。

 私たちのチームは最近、特に女性がこのような交渉をどうこなしているかを調査した。具体的には、都市部にある従業員500人以上の組織に勤める女性84人に、過去1年間に経験した大きな交渉について聞いた。大多数(81%)は4年制大学卒で、年齢は29~64歳。業種としては健康関系が23%、政府系が21%と最も多かった。基本的な質問事項は、交渉の目的と相手、そしてその交渉が人間関係に与えた影響だ。

 このうち22人が、報酬や昇進について交渉した経験を話してくれたが、もっと日常的な交渉について話してくれた女性たちもいた。報酬と昇進以外で多かった交渉テーマは、以下の3つだ。

・仕事のリソース:新たなポジション設置やチーム再編、報告系統の変更、引継ぎ期間の延長、システム更新など。

・能力開発:社外の会議参加、勉強のための就労日の削減、レベルの高いエグゼクティブ・ミーティングへの出席など。

・ワーク・ライフ・バランス:就労形態の見直し、家族のニーズに合わせた仕事への変更、育児休暇後の職場復帰、段階的退職など。

 調査対象者には、その交渉で困難だった部分も聞いた。また約半数には、これから交渉に向かう女性へのアドバイスを尋ねた。

 多くの女性は、交渉の場を戦場のように語り、情報不足や、自分(または相手)の希望を明確に把握していないと不利になると述べた。そして、基本的な交渉能力(綿密な計画立案能力や目標設定能力など)を身につける必要性を強調した。同時に、攻撃的になりすぎて(または攻撃的にならずに)失敗する可能性や、厳しいフィードバックから立ち直る難しさ、そして交渉のチャンスに気づき、それを利用する重要性を話してくれた。

 こうした懸念から、女性が交渉で直面する大きな課題は3つあることがわかった。

・自己主張と協調のバランスを取ること。
・感情をコントロールすること。
・パワープレーを克服すること。

 本稿では、こうした問題を克服するために、女性が身につけるべきスキルと自信、そしてレジリエンスについて、エビデンスに基づく勧告も行う。