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創業経営者は、自分が立ち上げた事業を必ず成功させるという信念を持っているものだ。みずからを犠牲にして、寝る間を惜しんで働くことがその近道であり、睡眠不足は勲章だと思っている人も多い。だが筆者らの研究によると、十分な睡眠をとることが、本人にとってはもちろん、会社にも価値ある成果をもたらすことが示された。


「創業者は眠らない」という神話は、そろそろベッドに追いやってもよいだろう。

 寝る間を惜しむことが成功と名誉への道であり、勲章だと思っている起業家があまりに多すぎる。だが最近我々が行った研究では、消耗した起業家に特定の能力不足が見られ、仕事に身を捧げた創業者でも、十分な休息をとったほうが会社のためになることがわかった。

 我々の研究論文では、ライフサイクルの初期段階にあるベンチャー創業者に求められる基本的な役割――新しいビジネスアイデアの創出と、新規事業のポテンシャルに関する信念(ビリーフ)の形成――について調査した。そして、相互に関連し合う3つの調査を通じて、睡眠を怠った起業家が行うビジネスチャンスの分析が、十分に睡眠をとった起業家とも、さらには十分に睡眠をとった自分自身とも異なることがわかった。