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近い将来、仕事の自動化がさらに進むことは間違いないだろう。「機械に淘汰される職業は何か」という議論は熱心になされているが、「残った職業のどんな側面が機械に取って代わられるのか」という検証は十分ではない。筆者は、仕事において2つの要素は自動化が困難であり、重点的にスキルアップを行うべきだと主張する。


 多くの人にとって、職に関する将来展望は明るくない。調査会社フォレスターは最近の分析で、米国の仕事の10%が今年中に自動化されると見ている。マッキンゼーの別の分析でも、次の10年間で全米の仕事の半分近くが自動化されると予想している。

 自動化される可能性の高い職業は、ルーティン的で反復的なものである。そこには、レントゲン写真の読み取り(生身の放射線科医の役割は、近い将来かなり狭い範囲に限定されるかもしれない)、トラックの運転、倉庫での搬入作業などが含まれる。

 消える可能性がある職種については、いろいろと言及されているものの、あまり詳しく検証されていない別の視点がある。すなわち、どの仕事がなくなるのかではなく、「残った職業のどの側面が、機械に取って代わられるのか」だ。

 たとえば、医師という職業について考えてみよう。近い将来(もしまだであれば)、人間よりも機械のほうが病気を的確に診断できるようになるのは明らかである。機械のトレーニングとテストに使えるデータセットが存在する場合、機械学習は目覚ましい効果を発揮するが、この条件は広範にわたる病気や疾患に当てはまる。

 しかし、どのような治療をするかについて、患者およびその家族と話し合うことはどうだろう?近い将来、このプロセスが自動化される可能性は、かなり低い。

 次に、ステータスという点では対極にある職業、バリスタについて考えてみよう。サンフランシスコのカフェXでは、バリスタ全員が工業用ロボットアームに取って代わられた。ロボットが暖かい飲み物を用意するという滑稽さを、客はおもしろがる。

 しかし、カフェXでさえ人間を雇っている。このテクノロジーをどう使って飲み物をオーダーするかを客に教え、ロボットのバリスタが問題を起こせば解決に当たるための人員だ。

 バリスタと、バーテンダーを比べてみよう。

 人々はバーテンダーに頻繁に話しかける。彼らの仕事は明らかに、ドリンクを用意することだけではない。医師と同じように、この仕事は簡単に、2つの部分に分解できる。すなわち、ルーティン的で反復的な部分(実際に飲み物をつくり、それを提供すること)と、客の話を聞いて会話をするという、もっとインタラクティブで不確実な部分である。