なぜ、フィードバックよりもアドバイスを求めるほうが効果的なのだろうか。結論から言うと、フィードバックはしばしば、評価と関連づけられるからである。

 学校では、成績評価とともにフィードバックを受ける。社会人になると、勤務評価とともにフィードバックを受ける。そのように、フィードバックは評価との結びつきが強いので、フィードバックを求めると、パフォーマンスの評価に焦点が当たってしまう。過去のパフォーマンスについて考えてしまうので、未来の、おそらくよりよいパフォーマンスを想像しにくくなる。そのため、フィードバックでは批判的で実行可能な情報が減ってしまうのだ。

 一方、アドバイスを求めると、評価よりもこれからできる行動のほうに焦点が当たる。過去は変えられないが、未来は可能性に満ちている。だから、アドバイスでは、もはや変えられない過去の行動を振り返るよりも、前向きに未来の改善のチャンスを考える傾向が強くなる。

 この効果を実証するため、私たちは最初の調査によく似た調査を、もう一つ実施した。この実験でも、一人の同僚が書いた求職申込書について、数百人にフィードバックまたはアドバイスを求めた。だが今回は、フィードバックをする人に「申込書を書いた人を啓発する」ことに重点を置くように求めた。評価という思考を取り去って、啓発に焦点を合わせると、フィードバックには、アドバイスをした人と同じぐらい批判的で実行可能な情報が盛り込まれていた。

 フィードバックを求めることはアドバイスを求めるよりも、常に戦略として劣るのだろうか。必ずしもそうではない。時には、フィードバックを引き出すほうが有益なこともある。

 一般に、その分野の初心者にとって、批判的で具体的な情報ではモチベーションが上がりにくい。一つには、まだ自分には改善に必要な基本的スキルがないと感じるからだろう。そのため初心者には、モチベーションを下げるような批判よりもたくさんの励ましを受けられるよう、アドバイスよりフィードバックのほうがふさわしいかもしれない。

 組織は、同輩や同僚、クライアントから学ぶ機会にあふれている。フィードバックは普及しているとはいえ、成長や学習を促進する戦略として、往々にして効果を持たない。私たちの研究は、過去の行動を評価することに焦点を当てすぎると、将来の行動のための具体的な助言策を提案しそびれることを示している。

 どうすれば、この壁を乗り越えられるだろうか。それは同輩やクライアント、同僚、上司にアドバイスを求めることである。


HBR.org原文:Why Asking for Advice is More Effective Than Asking for Feedback, September 20, 2019.

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ジェウォン・ユーン(Jaewon Yoon)
ハーバード・ビジネス・スクールで組織行動論の博士課程在学中。時間のコミュニケーションとフィードバックの交換を中心に研究。

ヘイリー・ブランデン(Hayley Blunden)
ハーバード・ビジネス・スクールで組織行動論の博士課程在学中。

アリエラ・クリスタル(Ariella Kristal)
ハーバード・ビジネス・スクールで組織行動論の博士候補。職場、教育の場、ウェブ上、その他の環境からバイアスを減らす構造を研究している。

アシュレー・ウィランズ(Ashley Whillans)
バーバード・ビジネス・スクールの交渉・組織・市場ユニット助教授。時間、お金、幸福を中心に研究。