その中の1つの実験では、参加者の一人が書いた家庭教師の求職申込書について、200人に意見を書いてもらった。ある人たちには「フィードバック」の形で意見を求め、別の人たちには「アドバイス」を求めた。

 フィードバックを書いた人は、漠然とした、全般的に褒めるようなコメントをする傾向があった。たとえば、このようなコメントがある。「この人は、かなり多くの要件を満たしているように見える。子どもと接する活動をしたことがあり、人に教えるのにふさわしいスキルがある。全般的に、妥当な応募者だと思われる」

 だが、同じ求職申込書について、アドバイスを求められた人は、より批判的で実行可能な情報を提供した。具体的に実行すべき項目を書いた人もいる。「私ならば、以前に子どもの家庭教師や類似の活動をした経験も添える。教え方のスタイルや、なぜそれを選ぶかも説明すべき。教える対象として望ましいのは、平均的な7歳の子どもだということも書き加える」

 実際、「アドバイス」を求められた人はフィードバックを求められた人に比べて、改善すべき領域について34%多く、改善方法について56%多く示していた。

 もう1つの調査では、米国のフルタイムで働く従業員194人に、同僚の最近の仕事のパフォーマンスについて説明してもらった。仕事内容は「物にラベルを貼る」から「新しいマーケティング戦略を立てる」まで多岐にわたっていた。

 次に、説明した仕事のパフォーマンスについて、フィードバックまたはアドバイスを求めた。ここでも、アドバイスを求められた人の回答(「今後は、もっと頻繁に役員と連絡を取ってほしい。イベントの間は巡回して、どこにいるかがよくわかるようにしてほしい」など)に比べて、フィードバックを求められた人の回答は、批判や実行可能な情報が少なかった(「パフォーマンスは上々で、彼の仕事に関連する苦情はなかった」など)。

 この実験結果は、インストラクターへの評価を対象としたフィールド実験でも再現された。ある上級管理職教育コースの修了時に評価を行う際、私たちは世界各地からの70人以上の受講者に対して、インストラクターへのフィードバックまたはアドバイスの提供を求めた。

 ここでもアドバイスのほうが、何が有効で何が有効でなかったについて、具体的な説明がより多く盛り込まれていた。たとえば、「事例はおもしろかった。ただし、参加者の交渉スキルの向上に役立つ具体的ツールを学ぶことに、もっと時間をかけたほうがよかった」というものだ。一方、フィードバックは、「教授陣の内容と教え方はすばらしかった」といった全般的な表現が多かった。