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働きながら子育てする親、特に母親のキャリアをどうサポートするかは、世界中で熱心な議論が繰り広げられている。政府や企業による支援は少しずつ充実してきた。ただし、そのほとんどが乳幼児の子育て支援に集中している。子どもが学校に入っても子育ての苦労は絶えないどころか、より難しさを増すケースがあるにもかかわらず、周囲の理解を得られない状況が母親たちを苦しめている。


 2020年の米大統領選に、記録的な数の女性たちが立候補している。それは、働く親の関心事が政治的課題になっていることを踏まえると、何の不思議もない。

 候補者の一人、エリザベス・ウォーレンは、ユニバーサルチャイルドケアのプランを選挙公約として発表している。カマラ・ハリスは「勤労者家庭の保育に関する法(Child Care for Working Families Act)」の共同提案者であり、ほかにも数人の候補者が同様の政策への支持を表明している。

 こうした課題が選挙遊説で目立つのは、米国の働く親、とりわけ働く母親のニーズに関する意識の高まりを反映している。産休職場復帰妊娠職場での授乳などをテーマに、率直で忌憚のない議論が繰り広げられている。

 とはいえ、働く親をめぐる議論の大半は、子どもが生まれたばかりの母親のニーズに集中している。まるで、いったん子どもが学校に入れば、仕事と子育てを両立する難しさが消えてしまうかのようだ(父親が完全に無視されることが多いのは、言うまでもない)。

 実際には、子どもが成長していくにつれて、新たな喜びとストレスを経験する。子育ての後半戦に入った親も新米の親と同様に、効果的なサポートなしでは、キャリアと家庭の間で引き裂かれるような思いをするのだ。

 数百人の働く母親を対象とした研究とインタビュー、そして仕事と子育ての両立を乗り越えてきた私たち自身の体験からわかったのは、母親として誰もが同じ一本道をたどるわけではない、ということだ。少し考えてみればわかることだが、家族や仕事の変化に応じて、新たな仕事/家庭のパターンをつくり出す必要がある。

 近著Maternal Optimismで述べたように、働く親と企業はいまこそ、妊娠・出産・乳児期から視野を広げて、子どもの成長とキャリアの成熟につれて変化していく、働く親の要求に目を向けるべきである。