買おうと思った瞬間を逃さず
リード獲得につなげる工夫が必要

――買い替えサイクルが長いのも自動車という商品の特徴です。平均的な買い替えサイクルは7年、また、いまこの瞬間に車を買い替えようと思っている人は人口の2%しかいないというデータもあります。このため、ターゲットの状況に合わせて、適切なタイミングで適切なアクションを起こすことで買い替えを促すことが重要かと思いますが、貴社として具体的なマーケティングプランがあればお聞かせください。

 おっしゃるとおり、いま2%のお客様しか新車の購入を検討しておらず、あるセグメントのシェアが10%だとしたら、0.2%という狭き門をくぐってアプローチしなければなりません。うまくターゲティングすれば無駄なリーチを防げるはずで、お客様が買おうと思ってくださった瞬間を逃さないことが必要です。

 われわれは無駄な広告は出したくありません。一方で、「この情報さえ知っていたら、日産車を買ったのに」というお客様がいたとしたら、それはわれわれのマーケティングに問題があります。ですから、必要な情報を、必要とするお客様に、必要なタイミングでお伝えできるよう、今後もさまざまな工夫が必要だと考えています。

武村 弊社は購入に近いところでのお客様のアクションを分析することで、メーカーとディーラーをつなぐ提案ができればと思っています。具体的には、広告を見ている人の中からいかにリード(見込み客)を獲得するかということです。

 例えば、ECサイトでは一般的となっているダイナミック広告を、自動車業界向けにカスタマイズした広告ソリューションを用意しています。認定中古車のディーラーのウェブサイトで、ある車種の青い車を探している人に別の色を見せるとか、その車種に似たスペックの在庫を見せる、といった手法です。サイト内の情報から、年式や価格、パワートレイン、在庫のある位置情報などをユーザーデータと合わせて統合的に解析して、自動的に広告を配信する方法もあります。

 そのほかにも、広告主様とのデータの連携が円滑になれば、できることはたくさんあります。既に納車済みの顧客を配信ターゲットから除外したり、現状のオーナーと似た属性の潜在顧客に配信したり、さらには購買データを組み合わせた計測などが実現できます。購入ニーズが顕在化しているお客様に精緻にアプローチすることで2%の検討者に対して、よりきめ細やかなコミュニケーションが可能になります。

 また、このような機密性の高い情報の授受を行う際に、ハッシュ(不可逆変換)化したうえでデータのやり取りを行うため、広告主様と弊社の間で安全に連携することが可能です。

 お客様が「欲しい!」と思ってくださった瞬間を逃さないことは、とても大事です。同時に、オーガニック投稿を含めて、車に対する憧れを再度醸成することや、日頃のブランドづくりも大切です。

 いまはあらゆることをデジタルデータで計測できる時代です。メディア選びでもクリエイティブの面でも、データを細かく解析して、因数分解し、限られた予算の中で、アプローチやアクションの改善を図っていく。マーケターとしては、仕事の醍醐味をより感じられる時代になったと言えるのではないでしょうか。

――本日はありがとうございました。

対談を終えた日産自動車の堤氏(右)とフェイスブックの武村氏

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