Facebook/Instagramの
広告ソリューション活用で
リーチやブランド認知が大幅に向上

――そのほかにも、プラットフォームに合わせてクリエイティブの最適化を図った例はありますか。

 建設現場や荷物の輸送などで多くのプロフェッショナルの方々にご支持いただいている(商用バンの)「NV350キャラバン」でも、Facebook/Instagramの広告ソリューションをフル活用させていただきました。

 まず、ターゲットの類似拡張といって、キャラバンのサイトに訪問しているユーザーや見積りを依頼したユーザーの傾向を機械学習で分析し、FacebookやInstagram上で似た行動を取っている人たちに幅広く広告を配信する手法をとることで、確度の高いユーザーに効率的にリーチすることを試みました。

武村 こうした類似オーディエンスへのリーチはとても有効で、クリック率もコンバージョン率もアップしました。オーディエンスの質が高く、広告を長い時間見てくれることもわかっています。

 キャラバンの広告クリエイティブは、モバイルでの視聴環境に特化して、縦長の画角、無音環境で効果的に伝えることができるよう工夫しました。長さ10尺(約3メートル)の脚立がすっぽりと収まる荷室の広さを縦型の画角を活用して強調したり、アラウンドビューモニターで車の周囲360°を確認することで狭い現場でも安全に駐車できることを見せたり、差別化ポイントを訴求する複数のバリエーションを用意しました。

モバイルでの視聴環境に特化して制作した「NV350キャラバン」広告クリエイティブ
(クリックで画像を拡大)

 また、軽自動車「デイズ」では、ニールセンの「コンシューマー ニューロサイエンス」という脳波を活用したCM分析の手法をモバイル向けに採り入れました。最初にテレビCMを見ているときの脳波と視線を計測、ブランド認知や安全・安心といった訴求軸に対して効果的なシーンだけを抽出し、モバイル用に再編集しました。

 このニューロ編集素材では旧来の素材と比較して広告認知が2.4倍にアップしただけでなく、安全性の高い軽自動車としてのブランド認知が向上し、訴求している内容をしっかりと伝達することに成功しました。

――オーガニック投稿によるコミュニケーションについてはいかがですか。

 (消費者との)インタラクティブな関係を築く手段として、オーガニック投稿も積極的に活用しています。当社の投稿に対して関心を持ってくださる20代、30代のSNSユーザーが増えていて、ゆるやかにつながりたいと考えています。

 宣伝はもちろんですが、豆知識や最新技術を説明するようなコンテンツを通じて、必ずしもコアな日産ファンではない人たちともいい関係をつくっていきたいと思っています。

 例えば、運転支援システムの「プロパイロット2.0」という先進技術があります。これは今年9月に発売となった新型スカイラインに搭載されているもので、ナビゲーションシステムで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動ルート走行を開始します。

 ルート走行が始まると追い越しや分岐なども含めて、システムがルート上にある高速道路の出口までの走行をアシストしてくれ、同一車線内でのハンズオフ(手放し)走行なども可能にする世界初の技術ですが、そのナビ連動ルート走行の技術を一言で伝えるのはなかなか難しいのです。

 そこで、この技術にならって、4歳の男の子がグリーン上でパターを打つと、運転支援システムを搭載したボールが確実にカップインする動画を作成したところ、動画公開2週間で1000万再生、20以上のテレビ情報番組でPR露出されました。しかも海を超えて、米国のニュース番組でも紹介されました。

 先進的な技術を、自動車にあまり関心のない人も含めて、できるだけ多くの方にご理解いただけるよう、常にターゲットを意識してコンテンツを制作しています。

 また、そのほかでSNSが有効だと思う点は、我々がイベントを開催したときに、会場に来られなかった人たちも投稿を見てメッセージを発信したり、「いいね」と共感したりしてくれることです。このようにお客様との双方向のコミュニケーションを図れることが、SNSの魅力です。試乗イベントなどでは、拡散のためのフックをどのようにつくるかを必ず議論します。