●締切をつくる

 締切がなければ、自分で設定すればいい。たとえば、ある仕事を終わらせたい期限を決めて、一週間に一定の時間ずつ取り組んだり、毎日少しずつ進めるという目標を立てたりできる。

 決めたことを書き出そう。カレンダーに印をつけるといい。忙しいときは締切のない仕事を後回しにして、スケジュールに余裕がある時期を探し、そこで取りかかる。いつまでに(一部または全部を)終わらせるつもりかを明確にすることによって、優先順位がつけやすくなる。さらに、その仕事に早く取り組もうという気持ちになる。

 スケジュールを考えるときは、明確な締切のない仕事を終わらせるために、どのくらいのタスクが必要かを意識する。複数のタスクがあるなら、毎月1つずつ取り組むだけでも、前進できる見込みは高いだろう。いくつかの急がない仕事を一度にさばこうとするより、1ヵ月に1つのタスクに集中するほうが、最終的に完了しやすいだろう。

 ●同僚に前向きなプレッシャーをもらう

 締切のない仕事を進めるために、自分で決めた期限を誰かに伝えて、ときどき進捗を報告すれば、より力強いインセンティブが生まれる。

 チームのメンバーや上司、友人、コーチなど、誰か一人に目標を示して、その人だけに報告するほうがやりやすい人もいれば、もっと広く公言したい人もいるだろう。具体的な期限までに具体的な行動を取ることを、何人かに伝えたり、ソーシャルメディアに投稿したりするのもいい。あなたの目標のことを心に留めて、フォローしてくれそうな人が周囲に複数いる場合、このような戦略がうまくいく。

 あるいは、あなたの仕事に関して、誰かに協力してもらうという方法もある。たとえば、同僚と一緒に取り組む時間を設けてみよう。同じ部屋に座って、それぞれ別の仕事をするだけでもいい。その時間にあなたがやろうと思っていることを前もって示し、成果を報告すれば、より効果がある。

 近い関係の人とコミュニケーションを取ることによって、同僚はあなたがその時間にやるべきことがわかり、あなたには説明責任が生じる。共同で働く環境も整うので、自分は仕事に追われているのに、ほかの人は楽しそうだという疎外感がなくなるだろう。

 自分のモチベーションが最も高まり、かつ心地よいと思えるやり方を選ぶ。いずれの場合も説明責任を伴うから、実際には締切がなくても、誰かに報告しよう、やり遂げなければ約束を破ることになる、という意識が生まれる。

 ●自分でインセンティブをつくる

 モチベーションを高める3つ目の方法は、魅力的なインセンティブを自分でつくることだ。

 締切のない仕事に、ご褒美を用意する。たとえば、1時間取り組んだらランチに行く。自分で決めたところまでリサーチを終えたら、休憩を取ったり、オフィスの整理をしたりする。大げさなご褒美や贅沢なものである必要はない。自分がやりたいことでかまわない。

 ご褒美が十分なインセンティブにならないときは、代わりにペナルティを設定してみよう。たとえば、追加分の仕事を1時間やらなければ、お気に入りのテレビ番組を見ることができない。自費で購入した研修用キットを終わらせなければ、ポッドキャストを視聴してはいけない。コツは、自分がいつも楽しんでいることを、ペナルティにすることだ。そうすれば、時間を割きたくない仕事も無視できなくなるだろう。

 ご褒美を仕事のプロセスに組み込むこともできる。たとえば、カフェや公園に行ったら、そこで何らかのタスクを仕上げる。このような状況をつくらなければ手をつけないかもしれない仕事に集中する必要性と、楽しい経験を、結びつけるのだ。

 締切のない仕事に対するモチベーションを自分で高めることは、難しいが、乗り越えられない壁ではない。さまざまな戦略を試して、今日から一歩、前に進もう。


HBR.org原文:How to Motivate Yourself When You Don't Have a Deadline, September,04 2019.

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エリザベス・グレース・サンダーズ(Elizabeth Grace Saunders)
時間管理のコーチ。時間管理のコーチングとトレーニングを提供する、リアルライフEタイムコーチング・アンド・スピーキングの創設者。著書に、How to Invest Your Time Like MoneyDivine Time Management(以上、未訳)がある。より詳しく知りたい場合はwww.RealLifeE.comを参照。