現場が必要とするアプリを、社員がPowerAppsで自力開発

 本セミナーでは、業務現場の課題を解決してDXの推進に成功した異なる業種3社の成功事例が披露された。最初に登場したのは、冒頭の基調講演でデジタル変革の考え方を表明した、あいおいニッセイ同和損害保険だ。

 営業統括部 営業ICT室の課長補佐を務める岡崎かおり氏は、「これまでユーザー部門では、ベンダー側に要件定義が正しく伝わらず、UI/UXや業務フローに合わないアプリが開発されることがありました。現場側も直感的に理解できるアプリを求めていますが、デザインや操作性を極めようとすると、開発時間やコストがかかってしまうという悩みがありました」と振り返る。

あいおいニッセイ同和損害保険 営業統括部 営業ICT室 課長補佐 岡崎かおり氏

 そんなとき出会ったのが、PowerAppsだった。同氏は、PowerPointやExcel関数の要領で、直感的に操作できるアプリを自ら作り出せるPowerAppsを大いに評価。実際に社内開催のハッカソンで、社員に支給されるデバイスを一元管理する端末管理アプリを開発した。

 従来はNotesアプリで管理していたが、非常に煩雑で時間がかかっていた。そこで同氏は「利用者が端末状況を管理者に報告する」「管理者が未報告者にリマインドを送る」「端末紛失時など、管理者にエマージェンシーの報告を送れる」という3つの機能を新しいアプリに盛り込み、業務フローの簡素化・効率化を図った。

 岡崎氏は「3人の仲間で開発を分担し、2日間でアプリを完成させました。自分で手を動かして開発したので、ユーザー視点で気づいた点も多くありました。アプリの骨子ができれば、各人が論議を重ねて軌道修正でき、アジャイル型開発により素早く完成させることができます。Dynamics 365と組み合わせた相乗効果も期待しています。その反面、ユーザー部門が開発することによる課題として、設計書作成やシステムフロー、正確なデータベース構築等が重要であるという点をどう運営していくか整理する必要があると感じました」と率直な感想を述べた。