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働き始めて最初の3年間の結果が、その人の成長と自信に大きな影響を及ぼすと言われている。そのため、マネジャーによるキャリアコーチングはとても重要だ。筆者らは10万件を超える調査を通じて、若手社員が悩みを抱えやすい4つのポイントを絞り込んだ。本稿では、4つの悩みのそれぞれに応じて実施すべき、4つの会話法を紹介する。


 キャリアコーチングは、新卒入社や就職したばかりの若者たちに欠かせない。

 彼らの多くは経験が乏しいまま、遠い将来まで人生に影響を与える選択をしている。研究では、初めて就いた仕事は、将来のキャリアに続くポータブルスキルを習得する、最適な機会であるとわかっている。とりわけ最初の3年間は、成長と自信に多大な影響を及ぼす。マネジャーはコーチングを通じて、チームのメンバーが戦略的に思考し、人生設計を行い、キャリアの途上で生じる浮き沈みを乗り切れるように手助けすることができるのだ。

 私がかつてコーチ・イン・ア・ボックスという国際的団体(のちにコンサルティング会社BTSが買収)を設立したとき、目標は、この知識とスキルをあらゆる人たちに伝えることだった。

 その過程で私たちのグループは、若い従業員が最も必要とする指導はどのようなものかを明らかにするため、10万件を超えるコーチングの会話記録を収集した。そして、従業員が最も悩んでいる問題に焦点を合わせた会話を研究し、4つの知識が欠落している状況が繰り返し現れることを発見した。

・レジリエンスを形成する方法:初期のプロジェクトが頓挫したり、プレゼンテーションで失敗したりといった挫折から立ち直る能力

・他者への影響力を持つ方法:より効果的に役割を果たせるよう、他者からの信頼と尊敬を勝ち取る能力

・ジョブクラフティングの方法:何が有意義な仕事かを判断し、より高い次元で達成するためにキャリアを調整する能力

・型にはまった思考から抜け出す方法:自分の思考パターンを問い直し、別の視点から問題を突き止めて解決する能力

 これらのスキルはどれも重要だが、それぞれに必要な会話は少しずつ異なる。しっかりと狙いを定めて取り組めば、こうしたスキルは長期的なキャリアの満足度を高めるだけでなく、短期的な成功を生み出すこともできる。

 従業員とマネジャーの関係は、従業員のエンゲージメントが変化する主要因の70%を占めている。つまり、この問題に対する取り組みに時間を投資するマネジャーは、従業員の定着率を向上させるだけでなく、彼らが意欲的かつ革新的で最高の仕事ができるための関係を構築することができるだろう。