この調査結果を踏まえて、あなたが今後こうした苦境に立たされたときには、どうするのが正解なのだろうか。考えを改めるのと、あくまでも自分の立場に固執するのと、どちらのほうが身のためだろうか。

 その答えは、おおかた状況による。自分を知的に見せることのほうが大事なのか、それとも自信を見せなければならないような状況なのか。前者ならば、引き下がったほうが事態が好転する可能性が高い。後者ならば、自分の意見を固持したほうがうまくいく。

 この調査結果は、社員に「よく考えること」を覚えさせたいマネジャーやリーダーにも指針を与える。つまり、社員が考えを変えても面目を失わない方策を講じるべきである。

 たとえば、白熱した意思決定会議――優秀な採用候補者が多い場合に、選定の際に起こりうる活発な議論など――では、最終票を個別に集めるという方法を採用すれば、最初から自分の立場を宣言している人でも、異なる意見を聞いた後に、誰にも知られずに体裁よく、考えを改めるチャンスがある。

 また、リーダーとして「考えを改める」模範を示してみてはどうか。当初の立場が間違っていたことがエビデンスによって判明した際には、「事実を受け止めた対応」を取るか、シンプルに「自分は間違っていた」とはっきり認めるかを実行してみるは、いかがだろうか。


HBR.org原文:Research: Changing Your Mind Makes You Seem Intelligent, September 11, 2019.

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マーサ・ジョン(Martha Jeong)
香港科技大学経営学助教授。交渉、社会的判断、意思決定について研究。

レスリー K. ジョン(Leslie K. John)
ハーバード・ビジネス・スクール経営学准教授。Twitterは@lesliekjohn

フランチェスカ・ジーノ(Francesca Gino)
ハーバード・ビジネス・スクールのタンドン・ファミリー記念講座経営管理論教授。行動科学者『イヤな奴ほど仕事がデキる』『失敗は「そこ」からはじまる』などの著書がある。ツイッターは@francescagino

ローラ・ホアン(Laura Huang)
ハーバード・ビジネス・スクール経営学准教授。著書Edgeを刊行予定。ツイッターは@laurahuangLA。