我々の直近の調査では、年商5億ドル以上の企業にいる2216人の幹部を対象にアンケートを実施。その結果は意外なことに、自社のデジタル能力に対する幹部らの自信は、本調査史上最も低かった。自社のデジタルIQは高い、と評価した幹部は52%にすぎず、前年から15%減っているのだ。

 とはいえ企業も幹部も、デジタルトランスフォーメーションを受け入れる姿勢に関しては向上を見せている。

 CEOは、自社のデジタル戦略がビジネス目標にどれほど影響するかを認識している。2007年当時、CIO(最高情報責任者)のうち全社戦略の策定に携わった人は40%のみであった。現在のCIOは、経営首脳陣における最も不可欠なメンバーの一人と見なされるようになった。

 しかし、言葉よりも行動のほうが多くを物語る。デジタルの重要性に対する認識はこのように変わっても、新興テクノロジーへの投資の平均(技術投資全体に占める割合)は、10年間を通してわずか1%しか増えていない。

 直近の調査で幹部らは、デジタル施策の主眼は収益増とコスト削減であるとしている。これらはもちろん、有意義な目標ではある。だが同時に、イノベーションを起こすこと、そして自社製品に最新技術を導入することは、彼らにとって最優先ではないという意味でもある。

 経営陣はデジタルトランスフォーメーションの重要性を認識してはいるものの、テクノロジーは猛烈なスピードで発展している。企業がテクノロジーの成長曲線に遅れずついていくのはますます困難になっており、ましてや、その先端をリードすることはさらに難しい。

 だが努力は見られ、そうしなければどんな結果が待つのかを、経営リーダーは認識している。デジタルを優先事項としないCEOは、考え方を改めるか、その地位から退いている。2007年の調査では、自社のCEOはデジタル施策を支持・推進している、と答えた幹部は33%であったが、現在では68%超に倍増した。

 加えてCIOも、最重要の存在になっている。2007年には、CIOは全社戦略の策定に深く関わっている、と答えた幹部は40%にとどまっていた。今日ではあらゆる業界で、CIOは会社の最も重要な戦略事項の一部を任されている。