自己認識は、いまこれからの課題を解決するカギとなる

 自分が何を成し遂げたいか、他者からどう見られ、何を期待されているか。これらのマッチングが仕事や職場であり、セルフ・アウェアネスの向上は、キャリアの構築や求職活動に欠かせない。

 もちろん、セカンドキャリアの実現にも効果的だ。人生100年、多くの人がより長期間に渡って働き続け、非連続的なキャリアを積んでいくと目される時代にあって、中竹氏は今後ますます「やりがい」が重要視されていくだろうと指摘する。

「私が考える『やりがい』がある仕事の条件は2つ。まずは無報酬でも没頭できる仕事。もう一つが、他者への貢献を実感できる仕事。2つが重なる場合がベストでしょう」

 そして、ここでも内的自己認識と外的自己認識がカギとなってくる。

「前者は内省を深めることで認識できますが、後者は他者のフィードバックなくして実感しづらいものです。内的と外的を両輪として、セルフ・アウェアネスを高めていくことは、思いもよらぬやりがいの発見や、セカンドキャリアの実現につながるはずです」(中竹氏)。

 そして、セルフ・アウェアネスは、「働き方改革」や「ダイバーシティ促進施策」などを通じて、同質的なモノカルチャーから、イノベーションを生み出せる多様なカルチャーへの移行を目指す、日本企業のいまこれからの課題にも深くかかわってくる。中竹氏はズバリと指摘する。

「ダイバーシティ施策の本質は、異質な人同士が交流することで外的自己認識を高めることにあります。その観点から言えば、現在企業で実施されているダイバーシティ施策の多くは、本質的な価値を捉え違えている恐れがあります」

 多様な人材を採用していても、彼ら彼女らを一つの部署にまとめてしまったり、特定の仕事に配置したりするなどして、分断してしまっては意味がない。いかに接点を増やすか、交流を増やしていくかが重要である。

 交流すればするほど、互いに気づきを得る機会が増え、新たな強みの確立につながる。組織としての強みが多面的に増えていくことで、適応力が高まったり、創造性が高まったりする。組織のパフォーマンスに効いてくる。その起点となるセルフ・アウェアネスの意義は大きい。


※本イベントで行われた中原淳氏の講演はこちら
※中竹竜二氏と中原淳氏の対談はこちら(前編後編