ニーズを特定する

「組織のニーズを特定する」とは、求人情報にあるジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を宝探しの地図のように子細に読み解き、秘密を探り当てることを意味する。

「必須」「必要な資格」「非常に望ましい条件」といった文言は、組織の主張を意味するため、これらを強調する計画を立てよう。ジョブ・ディスクリプションの下のほうにある項目や、「推奨」と書かれた項目は、自分がたとえ基準を満たしていようとも、重要度が低いと思われる。

「私たちが求めていること」や「私たちが必要としていること」といった見出しの下に書かれた項目には、特に注意しよう。これらは明らかに核心である。

 場合によっては、たとえ仕事の役割や肩書がジョブ・ディスクリプションの項目と一致していなくても、あなたのスキルが一致している可能性もある

「たとえ名称が違っていようと、あなたの持つスキルが求人の内容にいかにマッチするかを明確に述べることで、候補のトップの座につける」と、ストラテジー・アンド・タレント・コーポレーションCEOのタミー・ジョンズは記している。「たとえば、顧客サービス担当ならば、ローン審査担当やヘルプデスク担当、会計担当や受付担当などの職務にマッチする」

 ジョブ・ディスクリプションの語調からも多くのことがわかる。気の利いた文章であったり、親し気であったり、単刀直入に「ユーモアのセンスがあればなおよし」と書かれていたりする場合には、楽しい雰囲気の職場が示唆される。対照的に、非常にフォーマルな求人情報の場合には、粛々と仕事をすることが期待される堅い職場が示唆されるだろう。

 次に、応募先企業のホームページで「会社案内(About Us)」をクリックし、企業文化や中核を成す価値観を知ろう。主に、いかにきっちりと仕事をしているか、いかに顧客の要望に応じているかといったことを語っているだろうか。それとも従業員のサポート体制やワーク・ライフ・バランスの促進について語っているだろうか。

 ジョブ・ディスクリプションと会社案内という2つの情報源を分析して、応募先企業が最も求めている個人的な特性を3つ書き出そう。注目すべきは、「率先して動く」「チームプレーヤー」「医療に関心がある」といった資質であって、MBAや「関連分野での5年間の経験」といった資格ではない。

 この情報を用いて、「企業が求める人材は……」から始まる文章を完成させ、それを書き留めよう。

ニーズを満たす

 さて、書き留めた文章を、今度は言葉を少し変えて、「私は……な人間です」とか「仕事では、私のアプローチは……です」と記してみよう。

 あなたのキャリアの中から、自分が別の仕事でその特定のニーズを満たしていることを実証するストーリーを選ぼう。できれば、そのストーリーの状況が、応募している仕事の状況と合致しているものが望ましい。

 合致していることを強調するために、詳細を自由に補足するのはよいが、核となる要素をでっち上げてはならない。実際にどうかは別として、嘘や行き過ぎた誇張はすぐにばれる、と想定しておいたほうがいい。

練習して精度を上げる

「私は……な人間です」と、それを裏付けるストーリーという2つの要素をまとめ、それを声に出して練習してみよう。

 このとき、あたかも面接官に実際に答えているように話すことだ。練習なのだからとブツブツとつぶやくだけで終わりにしたくなるだろうが、面倒くさがってはならない。はっきりと声に出して練習するのが重要なのだ。

 というのも、これは精神的な練習ではなく、肉体的な練習なのである。自分の考えを伝えるためには、頭と口を同期させて働かせる必要がある。