多くの企業がいま、デジタルトランスフォーメーションを実現するために力を注いでいる。だが、それに成功した企業は限られているのが現状だ。莫大なコストを投じているものの、そのほとんどが無駄になっている。何がデジタルトランスフォーメーションの成否を分けるのか。本稿では、変革を実践した筆者らによって5つの教訓が示される。


 企業の取締役やCEO、上級幹部を対象にした最近の調査によれば、2019年の彼らの最大の懸念事項は、デジタルトランスフォーメーションに伴うリスクであるという。

 にもかかわらず、デジタルトランスフォーメーションの取り組みのうち70%が、その目的を達成していない。昨年には1兆3000億ドルが費やされたが、そのうちの9000億ドルが無駄になったと推計されている。

 デジタルトランスフォーメーションの取り組みで、成功と失敗が分かれるのはなぜだろうか。

 それは基本的には、デジタル技術の大半が、効率の向上とカスタマー・インティマシー(顧客との親密な関係)の「可能性」をもたらすものだからである。しかし、もし人々が変革に対する正しい意識を持ち合わせておらず、現在の組織慣行に欠点がある場合、デジタルトランスフォーメーションは単に、その欠点を悪化させるだけだ。

 以下に、我々が自組織のデジタルトランスフォーメーションを成功に導くうえで役立った、5つの主な教訓を挙げよう。